2026.07.29
なぜられると赤ちゃんが落ち着くのはどうして?
「撫でられると、なぜ赤ちゃんは落ち着くのか」、その仕組みはどのように発達するのか、この身近な疑問から研究を行ったのは、東邦大学医学部の研究グループです。「背中を撫でることで、ヒト乳幼児も離乳前の仔マウスも自発的な動きが減り、おとなしくなることを発見した」と述べています。加えて、「仔マウスでの詳しい解析から、撫で続けることで、心拍数の低下・入眠促進・ストレス反応の緩和が確認された」とも述べています。本研究では、「母マウスと引き離し、孤立させた仔マウスの背中に撫でる刺激を与え続けると、ストレスホルモンの上昇が抑えられましたが、一方、母マウスとの身体接触経験がほとんどない人工飼育された仔マウスでは、背中を撫でても、体動と心拍数の低下・入眠促進・ストレス緩和のいずれも生じなかった」といいます。当プレスリリースによると、「乳幼児期における養育者との身体的な触れ合いは、情緒や身体の健やかな発達を支える重要な経験と考えられています。さまざまな触れ合いのうち、乳幼児を撫でることは、なだめたり、寝かしつけたりする場面で広く行われています。しかし、どの身体部位を撫でると落ち着きやすいのか、撫でられることで落ち着く反応は生まれつき備わっているものなのか、また、どのような仕組みを介して生じるのかについては、よく分かっていなかった」そうです。そこで、本研究では、ヒト乳幼児を対象に別途実験を行いました。対象は、母親と0~2歳児の15組。その実験方法ですが、「乳幼児には無線式の小型心電図センサーを装着し、全身の運動量を記録するため動画を撮影。撫でる刺激を与えるために、母子に向き合って椅子に座るあるいはお互いに前方を向いて座るという2種類の座り方のいずれかを自由に選択してもらった」とのこと。その結果、「乳幼児は、後頭部・背中・腹部のうち、背中を撫でる刺激によって運動量が低下し、おとなしくなることが分かった」と述べています。そして、「母親が乳幼児をしっかり撫でるとき、その刺激は皮膚表面だけでなく皮下組織にも伝わり、C触覚線維をはじめ、複数の感覚神経を同時に活性化します。こうした複合的な刺激が、乳幼児を落ち着かせる反応を引き出す」とも述べています。本研究グループは、「特に背中を撫でる刺激が子を落ち着かせること、また、その反応の背景には、生後早期の養育者との触れ合い経験によって育まれる仕組みがあることが示唆されました。今回得られた知見は、科学的な根拠に基づく育児・保育の手技の提案や、触覚過敏や不安などを抱える子どもの理解と支援につながることが期待されます」と結んでいます。
https://www.toho-u.ac.jp/press/2026_index/20260707-1624.html
画像はプレスリリースから引用させていただきました。
SM
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