港区立高輪いきいきプラザ

2026.06.17

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認知症の人の入院とその後の死亡率と医療費の関係

京都大学医学研究科および米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究グループは、「米国の公的医療保険(メディケア)の全国データを用いて、認知症の人における入院加療が、その後の死亡率と医療費に与える因果効果を検証した」と発表しました。当プレスリリースによると、認知症の人は救急外来受診や入院加療を経験する頻度が高く、「入院させるべきかどうか」は重要な判断だそうです。実は、認知症の人は、不慣れな入院環境により合併症が起きやすく、入院によって身体・認知機能が低下する可能性があると言われてきましたが、これは「もともと重症である人が入院しやすい」ことを反映しているにすぎない可能性があるといいます。そこで、本研究では、この「重症である人が入院しやすい」ことによるバイアス(推定したい効果の真の値からの系統的なずれ)を取り除かない限り、入院そのものの効果を正しく評価できないと述べています。そこで、本研究では、「救急外来において患者が担当救急医にほぼランダムに割り当てられる一方で、救急医ごとに患者を入院させる傾向が大きく異なることを利用して、そうしたバイアスを統計的に取り除いたうえで入院の因果効果を推定した」とも述べています。具体的には、メディケアのデータで同定された約87万件の認知症の人における救急外来受診を解析したそうです。その結果、「認知症の人において、入院が救急外来受診後30日時点での死亡率に影響するという明確な根拠は得られなかった」ということです。すなわち、入院が死亡率へ与える影響の方向や大きさをデータから確定することはできなかったと述べています。一方、入院によって退院後を含めた救急外来受診後30日間の医療費が2,547米ドル(約38万円)増加するという結果は得られたと述べています。救急外来受診後90日時点でも同様の結果が得られたとか。この結果が意味するのは、すなわち、「認知症の人における入院は、死亡率の改善をもたらさない一方で医療費増加につながっており、不要である」ということを意味するものではないそうです。重篤な急性疾患などに対して、入院加療が不可欠なケースも多くあるはずです。本共同研究グループは、「認知症の人に対して入院の適否を迷うような場面では、在宅医療や外来診療でのフォローアップも含めた幅広い選択肢を慎重に検討することが重要であることを示唆しています」と結んでいます。

https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2026-06-09

画像はプレスリリースから引用させて頂きました。

SM

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