港区立高輪いきいきプラザ

2026.05.20

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II型糖尿病治療薬とアナフィラキシー治療

「北里大学、慶應義塾大学、早稲田大学を中心とする研究グループは、『II型糖尿病治療薬の一つであるアカルボース』が腸内細菌の糖代謝を変化させ、それによって産生される腸内細菌由来代謝物がアナフィラキシーを抑制する機構を明らかにした」と発表しました。

ご存じのように、アナフィラキシーは食物アレルギーの中でも最も重篤で、時に命に関わる急性反応として知られています。ただ、具体的な制御機構は十分に明らかにはなっていません。一方、糖尿病治療薬であるアカルボースは、食事に含まれるデンプンや砂糖などの糖質の分解・吸収を小腸で抑えることで食後の血糖値の上昇を抑制する薬剤として使用されているとのこと。本共同研究グループは、アカルボースの「本来小腸で吸収されるはずの食事由来の糖質を大腸へ送り込む」という特性に着目し、腸内細菌叢と免疫応答への影響をマウスによる実験で検証したといいます。その結果、アカルボースは腸内細菌の代謝を変化させ、特定の細菌の増加とともに、代謝物であるコハク酸の産生を高めることが明らかになり、加えて、このコハク酸がアレルギー反応の鍵となる肥満細胞の活性化を抑えることで、アナフィラキシー症状の指標の一つである体温低下を改善することが示されたと述べています。因みに、この現象は単に薬剤投与だけではなく、食事中の糖が大腸へ届くことによって初めて成立することも明らかとなったと述べています。すなわち、アカルボースは「薬剤」としてだけでなく、「腸内細菌に届く栄養環境を変える因子」として機能し、腸内細菌の代謝を変化させることで、コハク酸などの有益な代謝物の産生を促進していたとも述べています。この結果は、「動物実験で明らかになった腸内細菌代謝物免疫制御というメカニズムが、ヒトにおいても実際に機能している可能性を示している」ということです。本研究の成果によって、「今後、アカルボースや類似薬がアナフィラキシーの予防・治療に応用される可能性が期待されるとともに、『腸内細菌の代謝を操作することで免疫を制御する』という新たな治療戦略の基盤となる成果といえます」と結んでいます。

https://www.keio.ac.jp/fixed-files/20260513-press-02-q4eirzd9.pdf

 画像はプレスリリースから引用させて頂きました。

SM

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