2026.05.08
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緑膿菌とmRNA
新型コロナウイルスの流行で、一般的に知られるようになった「メッセンジャーRNA」ですが、端的に言えば、ウイルスのタンパク質をつくる遺伝情報(mRNA)を注射し、抗体などを誘導するワクチンです。その「メッセンジャーRNA」を用いて緑膿菌(淡水や海水、土壌などに広く分布し、湿潤な環境を好む傾向にあり、また、人を含む動物の腸管内にも存在する菌)に対する抗体を体の中で作り出す、次世代抗体治療開発した、と発表したのは東京科学大学総合研究院および京都府立医科大学大学院医学研究科の共同研究チームです。この緑膿菌は、免疫力の低下した患者へ感染することが問題になっていますが、その状況を模したモデルにおいても治療が成功した、とも述べています。実は、同共同研究チームは、以前、細菌が毒素を送り込む「注射器」の仕組みをブロックする「抗体」を作ってきましたが、手間やコストの問題があり、今回メッセンジャーRNAの技術を応用。すなわち、「武器の設計図」を体に送り込み、自分の体の中で武器を作らせるというのです。これにより、安価で迅速かつ効率的に治療薬を作ることができるようになったと述べています。こうした研究の画期的なのは①多剤耐性菌に対するmRNA抗体治療②抗体の小型化③臨床を模したモデルでの成功などを挙げています。本共同研究グループは、「今後は免疫不全や重症肺炎に苦しむ患者に対しても安全な抗体の供給を目指し、高価な抗体治療を誰もが受けられる身近なものへと変える、医療のデジタルトランスフォーメーションを推進します」と結んでいます。
https://www.isct.ac.jp/ja/news/6s9cc4d8i446
画像はプレスリリースから引用させて頂きました。
SM

