港区立高輪いきいきプラザ

2026.10.28

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高脂肪食が肝臓の幹・前駆細胞に「老化の記憶」を残す?

藤田医科大学医学部衛生学講座および麻布大学獣医学部比較毒性学の共同研究グループは、「高脂肪食による代謝ストレスが、肝臓の幹・前駆細胞など再生を担う細胞集団に、老化に似た性質を『記憶』のように持続的に残すことを明らかにした」と発表しました。具体的には、高脂肪食を与えたラットの肝臓から小さな立体組織「肝オルガノイド」を作製し、体外で繰り返し培養したところ、元の体内環境から切り離した後も、老化関連の変化とオルガノイド形成能力の低下が続いた」と述べています。すなわち、過去の代謝ストレスが、再生を担う細胞集団の性質を持続的に変える「老化様リプログラミング」を示す成果だということです。今回の研究は、「新しい細胞を生み出す『再生の源』そのものに老化様の変化が残ることを明らかにしたもので、組織の老化や再生能力の低下を理解するうえで、新たな視点を提示する発見といえます」と述べています。本研究グループは、今回の研究の背景として次のように説明しています。「肝臓は、傷ついても組織を修復する高い再生能力を持つ臓器です。一方、高脂肪食や肥満に伴う脂肪肝では、脂肪の蓄積に加え、炎症や酸化ストレス、細胞老化に関連した変化が起こり、肝臓の再生反応も低下することが知られています。しかし、これまでの研究は主として成熟した肝細胞に注目されてきました。新しい細胞を供給する幹・前駆細胞などの再生細胞集団にも、過去の代謝ストレスが残るのでしょうか。研究グループは、肝臓から再生に関わる細胞集団を取り出し、元の体内環境とは異なる同一の培養条件で育てることで、この疑問を検証した」とのことです。すなわち、本発表のタイトルにある通り、「高脂肪食が肝臓の幹・前駆細胞に『老化の記憶』を残す」ということです。

https://www.fujita-hu.ac.jp/news/vsfo8q000002c1lj.html

 用語解説

幹・前駆細胞:組織の修復や再生の際、新しい細胞の供給に関わる細胞。

肝オルガノイド:肝臓の再生に関わる細胞を体外で立体的に培養して作る、小さな組織様構造。

老化様:増殖能力の低下や老化関連分子の変化など、細胞老化と共通する特徴がみられる状態。

持続的リプログラミング/「老化の記憶」:過去の代謝ストレスによって変化した細胞集団の性質が、元の体内環境から離れても維持される現象。「記憶」はその持続性を表す比喩です。

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