2026.09.09
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本人の最期の希望と救急医療のギャップとは?
岡山大学医学部の研究グループは、「全国 791の消防本部と、救急活動の医学的な質を管理するメディカルコントロール協議会を対象に、救急隊が心肺蘇生を中止できる「手順」がどこまで整備され、実際に機能しているのかを全国で初めて調査した」と発表しました。こうした調査を実施した背景について、本研究グループは糖プレスリリースの中で次のように説明しています。少し長いですが引用させていただきます。「がんの終末期や老衰を迎えた方の中には、『最期は心肺蘇生を受けずに、穏やかに見送ってほしい』とあらかじめ意思を示す人が増えていますが、いざ心臓が止まり、あわてた家族や高齢者施設の職員が救急車を呼ぶと、救急隊は本人の意思を目の前にしても、原則として心肺蘇生を始め、続けながら病院へ搬送しなければなりません。現場で心肺蘇生を中止するための全国共通の仕組みが、日本にはないからです」。そこで、一部の地域では、本人の意思の確認やかかりつけ医師への連絡など、条件を満たせば心肺蘇生を中止できる「手順」を独自に整えてきたそうです。しかし、この「手順」が全国にどれだけ広がり、実際に使われているのかは、これまで明らかになっていなかったとか。そのため、今回の調査を実施したという訳です。具体的には、全国のメディカルコントロール協議会と 791 の消防本部を対象にオンライン調査を行ない、次の点が明らかになったといいます。 第一に、救急隊が病院搬送前に心肺蘇生を中止できる「手順」を持つ消防本部は、約半数(47%) にとどまっていた。 第二に、心肺蘇生を望まない意思が示された事例の約 7 割は、心肺蘇生が続けられたまま病院へ搬送されていて、この割合は「手順」のある本部では 46%、ない本部では 82%で、手順が本人の意思を尊重する助けになっていることがうかがえた。第三に、「手順」を持ち、該当する事例を経験した消防本部でも、その半数(52%)は 1 年間に一度も手順を使っていなかった。つまり、「手順を作ること」と「実際に使うこと」の間に大きな溝があることが、全国規模のデータで初めて明らかになったと述べています。本研究グループは、「人生の最期に関する本人の意思を受け止める救急医療の体制が、『ルールの整備』だけでなく『実際の運用』の面でも追いついていないことを、全国規模で初めて数字で示しました。私たちが目指すのは、救急車を呼ぶのを控えることでも、心肺蘇生を一律にやめることでもありませ ん。本人の意思を現場で安全に確認し、救急医療に反映できる体制を全国に根づかせることです。今後は、せっかく作られた手順がなぜ使われにくいのか、その理由を明らかにする研究を進めていきます」と結んでいます。研究者は次のようにコメントしています。「心肺蘇生は救命に有効な治療ですが、体力の落ちた高齢の方には、肋骨骨折を伴うこともある、身体への負担が大きい処置でもあります。『心肺蘇生を望まない』という意思は、その方の最期の願いです。すべての方に一律に心肺蘇生を行うのではなく、その願いを受け止め、穏やかな最期を支えることも、救急医療の大切な役割だと考えています。ご家族の『もしものとき』をどうするか、元気なうちに話し合っておくことが、願いを叶える第一歩になります」。
因みに。本日、9月9日は「救急の日」です。
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id1604.html
画像はプレスリリースから引用させていただきました。
SM

