港区立高輪いきいきプラザ

2026.08.19

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複数の介護動作を学習するロボット

ロボットはたとえ急速に発展した人工知能(AI)技術をもってしても、「人間のように1つの知能で多様な作業へ柔軟に適応することは依然として大きな課題である」といいます。なぜなら、「人間は視覚や身体感覚など膨大な情報を統合しながら、状況に応じてさまざまな作業を切り替えている」からです。そこで、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター(NCNP)神経研究所疾病研究第7部及び早稲田大学の共同研究グループは、脳の計算原理として近年注目されている「予測処理(Predictive Processing)」(自由エネルギー原理)によって、この脳理論に基づいたAIモデルを多自由度ヒューマノイドロボットに実装し、高次元の視覚・固有受容感覚(身体感覚)を統合しながら、複数の介護動作を学習できることを実証した、と発表しました。当プレスリリースによると、本研究では、①視覚情報が曖昧でも身体感覚から状況を推定する②動作の切り替えを自律的に学習する③視覚的に遮蔽された対象を推定する④状況に応じた不確実性の変化を認知するといった、人間の脳で知られる情報処理特性が、特別なプログラムを与えなくてもAIモデル内部に形成されることを確認した、と述べています。ご存じのように、介護現場では世界的な高齢化に伴う人手不足が深刻化しており、喫緊に解決すべき社会課題となっています。そこで、本研究では、ロボットによる介護タスクの学習に着目したという訳です。ただ、「体位変換や清拭などの作業では、対象者や環境の変化に応じて視覚や身体感覚を統合しながら柔軟に行動を切り替える必要があり、このような介護場面を想定した動作生成は、実世界における適応的知能を検証する上で最も挑戦的な課題の一つである」とも述べています。本共同研究グループは、「マネキンに対する『体位変換』と『清拭』という性質の大きく異なる2つの介護動作を学習させた」と述べ、「体位変換は重い人体を支える力学的に複雑な作業であり、清拭はタオルという柔軟物体を扱う作業ですが、提案AIモデルは、これら異なる介護動作を同時に学習・予測できることを確認した」とも述べています。そして、「このことはタスクごとに別々のAIを設計する従来手法とは異なり、単一の脳型AIが多様な作業へ適応できる可能性を示しています」と結んでいます。因みに、予測処理とは、「脳は外界からの情報を受け身で処理するのではなく、未来の感覚をあらかじめ予測し、その予測と実際の感覚との差(予測誤差)を最小化することで知覚・行動・学習を行うという脳科学の理論」です。

https://www.waseda.jp/inst/research/news/85524

 画像はプレスリリースから引用させていただきました。

SM

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