2025.11.17
- 活動報告
【南中野包括】事例検討に参加してきました
先日、連携している相談支援機関の方からお声かけいただき、「事例検討会」に参加してきました。
事例検討の方法は、“質問と回答の積み重ねで事例を可視化していく” というとても実践的な手法でした。
私自身、とても勉強になったので、その気づきを私なりにまとめてみました。
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■可視化することで、同じ景色を見る
ホワイトボードを使って、事例の全体像を「見える化」していく進め方でした。
参加者からの質問と、事例提供者からの回答のやり取りをホワイトボードに書き出していくので、「関わる人たちが、同じ景色を共有できる」という感覚があります。
バラバラだった情報が、線でつながっていく瞬間は本当にワクワクします。
■多角的に深める
生活歴、家族関係、ストレングス(強み)、お困りごと・・・・
質問を重ねながら、背景が少しずつ浮かび上がっていきます。
表面だけを見て「課題だ」と決めつけないで、“その人が歩んできた歴史”を丁寧に辿ること。
それを促してくれる手法でした。
■本質にたどりつくプロセス
今回も、参加者からの質問ひとつで事例提供者が
「そういえば、あの頃は・・・」
と思い出す場面がありました。
忘れがちな「花の時代」に光が当たる瞬間は、なんだか胸があたたかくなります。
■最後は“明日から動ける計画”に
「深めて終わり」ではなく、“明日から動ける支援計画”まで落とし込むのが大きなポイント。
本人の希望
家族の願い
支援者ができること
これらが整理され、具体的な一歩が見えるようになります。

★今回のテーマ:カスハラ事例
今回取り上げたのは、いわゆる「カスハラ(カスタマーハラスメント)」に関する事例でした。
相手の要求はエスカレートしがち、支援者側も振り回されやすいテーマです。
整理していくと、“ただ困った人” ではなく、その人の背景にある不安や喪失感、孤立、プライド・・・。
その人の色々な部分が浮かび上がってきました。
■「ほどよく」サービスを続けるために
支援者がつい抱えてしまう負担をどう軽くするのか。
サービス提供者側が消耗しすぎず、でも切り捨てもしない。
その「ほどよい距離間」について、参加者でたくさん意見が交わされました。
・線引きの基本をチームで共有する
・本人の楽しみを増やす
・“しない支援”も選択肢に入れる
・相手の不安の背景を丁寧に言語化する
変わり種としは・・・
"承認欲求や自己実現のための支援として、例えばインスタグラムで、他者からの評価をもらう!!!"
なんて意見もありました。
参加して感じたのは、単に「分析する」場ではなく、支援に関わる人たちが安心して語り合い
一緒に考える場だと感じました。
情報が可視化されていくと、
“自分の中のモヤモヤ”が自然と言語化され
参加者同士の理解も深まっていくのが魅力です。
そして何より、支援は「一人で背負わなくていい」ということを、改めて実感できました。
■終わりに
カスハラのケースは、どうしても支援者側が疲弊しがちです。
今回の学びを通して、「相手との距離を上手に取りながら、サービスを“ほどよく”続ける」
という視点を、これからの業務でも活かしていけそうです。
また機会があればぜひ参加していきたいと思います。

