2026.05.29
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脳卒中と手足に続く痛み
脳卒中後には、手足などに長く続く痛みが生じることがありますが、通常は脳の損傷部位とは反対側に現れるそうです。しかし、まれに両側へ広がることもあるとか。ただ、なぜ脳卒中後に痛みが起こり、なぜ片側にとどまらず両側へ広がるのか、その仕組みは分かっていなかったと言います。そこで、京都大学医学部・医学研究科の研究グループは、その原因に、➀生理活性脂質リゾホスファチジン酸(LPA)②脳内免疫細胞ミクログリア➂痛みに関わるプロスタグランジンE2(PGE2)が連動して関わることを、イメージング質量分析などにより初めて画像として捉えた、と発表しました。実際、「マウスの虚血・再灌流モデルを解析し、LPAが損傷部位だけでなく、左右の脳をつなぐ脳梁や反対側の脳領域でも増えることを可視化。さらに、PGE2が反対側の大脳皮質で増加することも確認した」と述べています。加えて、LPAの増加部位ではミクログリアも活性化しており、LPAがミクログリアを動かして炎症の信号を片側から反対側へ広げる可能性が示された、とも述べています。そこで、本研究では「脳梁へLPAを少量投与したところ、投与したLPAそのものが遠くまで広がったのではなく、体内由来のLPAが脳梁内で新たに増える連鎖反応が起こった」と言います。本研究グループは、「脳卒中後の痛みがなぜまれに両側へ広がるのかという問いに対し、LPA、ミクログリア、脳梁、PGE2が連動する様子を一つの流れとして示せたことに大きな意義がある」と述べ、「今後は、今回見いだしたLPAがミクログリアを介して脳梁内を連鎖的に広がる仕組みが、脳卒中後疼痛 以外の神経炎症や慢性疼痛でも働くかを検証します。あわせて、イメージング質量分析を用いて、疾患に関 わる生理活性分子や薬剤の分布を画像として評価し、病態理解と治療法開発につなげることが期待されます」と結んでいます。
脳卒中後の痛みが両側へ広がる謎を画像で解明―LPAがミクログリアを脳梁内で連鎖的に活性化し、PGE₂増加を招く過程を可視化― | 京都大学
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