2024.10.30
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脳の機能シフトって何?
脳には,機能領域に病変が及んだとき,自らの機能を守るため,脳機能が本来の機能局在から別の場所に移動することがあり、これを機能シフトと呼ぶのだそうです。その「後方言語野の機能シフトの特徴」を明らかにした、と発表したのは金沢大学医薬保健研究域医学系らの共同研究グループです。本研究グループは,ヒトが持つ特有の機能である言語機能に着目し,覚醒下手術所見および安静時機能的 MRIという手法を用いて,言語の機能シフトの特徴を調べたそうです。その結果,「病変が本来の言語領域に進展すると言語領域は後方に広がること,そしてその広がった領域は脳機能のハブであることが明らかになった」と述べています。つまり、言語領域が病変に侵されると,脳機能のハブ領域が言語機能の代償をすることを示していると言います。本研究グループは、「今回発見した機能シフトの特徴は,脳科学の世界において未だ解明されていないヒト高次脳機能の可塑性の解明に極めて重要な知見であり,今後の脳研究に大きな影響を与えることが期待される」と結んでいます。