2024.10.30
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「間質性肺炎」の新たな治療法
近年死者数が増えていると言われている「間質性肺炎」。たばこやアレルギーなどさまざまな原因(原因不明のものも)によって、肺の間質に炎症が起こり、肺が線維化をおこす難病ですが、線維化をおこして硬くなってしまうと、息苦しさや血液中酸素の欠乏につながるそうです。現在は、抗線維化薬という薬を使い治療を行うことができるようになったそうですが、ただ、一度硬くなってしまった肺を元に戻すことは難しく、新しい治療法の開発が望まれていました。そうした背景から、広島大学大学院 医系科学研究科分子内科学らの研究グループは、「女性由来ALDHbr 細胞治療が間質性肺炎による線維化を抑制することを発見し、そのメカニズムについて新たな知見を蓄積した」と発表しました。実は、「アルデヒド脱水素酵素高活性細胞(ALDHbr 細胞)」という細胞が骨髄の中にあり、この細胞を用いることで、酸化ストレスを原因とする様々な病気を治療することができることがわかってきたのですが、実際にALDHbr 細胞が間質性肺炎の治療に効果的かどうかは、まだ証明できていなかったとか。今回、マウスを使った実験では、メスのマウスの骨髄から抽出したALDHbr 細胞を投与したマウスでは、間質性肺炎が大幅に改善したというのです。つまり、「女性の細胞のほうが男性の細胞より効くことを明らかにした」という訳です。今後は、「この結果がヒトの間質性肺炎治療に応用されることや、さらには他の病気に対してもALDHbr 細胞の性別の違いに注目した新しい細胞治療の開発へと発展してゆくことが期待される」と結んでいます。
【研究成果】骨髄から抽出した細胞の一種が、間質性肺炎の治療に有効であることを発見 ~男性より女性の細胞の方が効果が高い?!~ | 広島大学 (hiroshima-u.ac.jp)
画像はプレスリリースから引用させていただきました。 高輪いきいきプラザ SM