2026.10.07
- ニュース
涙からパーキンソン病を捉える?
パーキンソン病は「αシヌクレイン」と呼ばれるタンパク質が異常に蓄積し、身体が動くにくくなり、ふるえや筋肉がこわばる神経変性疾患ですが、現在の診断は振戦(ふるえ)、筋強剛(筋肉のこわばり)、動作緩慢(体の動きが鈍くなる)などの運動症状を中心に行われているそうです。ただ、発症早期には他の神経変性疾患との鑑別が難しく、こうした症状が現れる頃には神経細胞の脱落が進んでいることから、客観的な診断指標(バイオマーカー)の開発が求められている」と訴えるのは長崎大学大学院医歯薬学総合研究科の研究グループです。実は、近年、「微量の異常αシヌクレインを増幅して検出するシード増幅アッセイ(SAA)が注目されていて、この手法は脳脊髄液だけでなく、皮膚や嗅粘膜、血液、唾液などへの応用も進められており、より患者負担が少なく採取しやすい検体を用いた検査法の開発が期待されている」と述べています。そこで、本研究では、「パーキンソン病患者55例と対照群40例を対象として、両眼からシルマー試験紙を用いて涙液を採取。そして、採取した涙液からαシヌクレインのシード活性を検出できることが示された」と述べています。涙液は脳脊髄液採取や組織生検と比べて採取が容易で、患者への負担が少なく、繰り返し採取できるという利点があるということです。因みに、本研究における感度は52.7%であり、陰性結果のみでパーキンソン病を除外することはできないとも述べています。本研究グループは、「今後、より大規模な多施設・前向き研究や、早期・前駆期の患者を対象とした検討に加え、脳脊髄液や皮膚を用いたシード増幅アッセイとの直接比較などを進めることで、患者負担の少ない補助的バイオマーカーとしての臨床応用が期待されます」と述べています。
涙からパーキンソン病を捉える,― αシヌクレインシード検出による低侵襲バイオマーカーの可能性 ―|長崎大学
画像はプレスリリースから引用させていただきました。
SM

