2026.09.30
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単純X線像の果たす役割とは?

私たちが健康診断などで受けるレントゲン検査。これはX線を使って体内の画像を撮影し、何らかの異常や病変を見つけられる検査ですが、こうした画像診断はどの診療科でも一般的に行われています。一方で、CT検査やMRI検査が容易に施行できるようになり、医療の質が底上げされたことも事実。ただ、「単純X線像」で病変が見抜けるケースも多々あり、そこでは放射線を診る専門医に「読影」技術が必要であることは言うまでもありません。たとえAI技術が日進月歩の進歩を遂げたとしても、AIにできることはまだ一部で、正確な画像診断したり、全身を総合的に診断したりすることはできないといいます。さて、本題ですが、X線画像から「何をどうみるか」というテーマに取り組み、丁寧に解説した「救急症例に学ぶ!骨軟部画像診断テキスト」(南江堂)の著者の大橋健二郎医師は、長年にわたり米国アイオワ大学病院で骨軟部画像に従事し、同院における教育・救急医療体制に基づく豊富な経験を有しています。本書の中で、著者は「典型例から見逃し症例まで」幅広いケースを引用して、単純X線像読影の基本を解説しています。つまり、「とりあえずCTやMRI検査を行おう」の前に、X線検査の画像で見抜ける所見があることを説いているのです。そのためには、画像診断技術の向上だけでなく、日常診療で陥りがちな思い込みを省みて、画像診断の原点ともいえる単純X線検査に立ち返ることが重要であると述べています。さて、大橋医師はもう一つの問題点として、次のように語っています。「責任をもって読影できる医師が画像検査を診ていない、公式レポートがない施設では、X線検査だけで事足りる場合にも、CTやMRIが緊急で施行される可能性があることも問題ではないでしょうか」。すなわち、「X線像を正確に読み」「きちんとレポートを残す」という画像診断の原則を尊重する医師の努力があってこそ、私たちの医療が守られると言っても過言ではないのです。
画像は本欄で紹介した本の表紙から引用させて頂きました。
SM

