2026.09.16
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ALS治療薬でアルツハイマー病の記憶障害を改善
「筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療薬『リルゾール』が、アルツハイマー病(AD)モデル動物の記憶障害を大幅に改善することを発見した」と発表したのは、山口大学大学院医学系研究科神経生理学講座らの研究グループです。アルツハイマー病は、患者の脳内に蓄積したタンパク質の異常な塊である「Aβ1-42オリゴマー」による神経細胞の過剰興奮によって起こると言われていますが、今回の研究ではモデル動物(ラット)を用いて、リルゾールが実際に記憶障害を回復させることができるか、その際脳内でどのような細胞応答が起きているのか個体および細胞レベルで検証したといいます。その結果、①リルゾールを投与されたラットは、運動機能や不安様行動、痛覚感受性に影響を受けることなく、Aβ1-42オリゴマーによって低下していた海馬依存性の記憶・学習機能が有意に改善した。②脳内の「掃除役」であるグリア細胞が強力に動員され、有害なAβ1-42オリゴマーを取り込んで分解・除去する作用が促進されていることが明らかになった。③グリア細胞の機能化に伴い、Aβ1-42オリゴマーによって引き起こされるスパイン(樹状突起棘)の消失や病的なシナプスの刈り込みが抑えられ、記憶ネットワークの構造と多様性が正常に維持されたといいます。因みに、スパインとは、「神経細胞の樹状突起にある小さな突起構造で、他の神経細胞からの情報を受け取るシナプスの接合部」のことです。本研究グループは、今回得た研究の知見は、「アルツハイマー型認知症の治療介入が必要な段階において、グリア細胞の賦活と協調的リモデリングが病態制御と改善に重要であることを示します」と述べ、「リルゾールは既に臨床現場で経口投与(飲み薬)されている安全性の確認された薬剤であるため、ヒトのアルツハイマー病治療への早期の臨床応用(ドラッグリポジショニング)が期待されます」と結んでいます。
https://www.yamaguchi-u.ac.jp/weekly/51985/index.html
画像はプレスリリースから引用させて頂きました。
SM

