優っくり看護小規模多機能介護板橋四葉

2025.12.03

  • 看多機

母の介護に限界を感じた日のこと ── 明美さんが“看護小規模多機能”と出会うまで

本記事はノンフィクションです。ライトノベル形式で看護小規模多機能介護サービスをご案内します。

■第1章 眠れない夜と携帯の光

夜中の2時。
まただ……。

寝室のドアを開けると、母が廊下の端でうろうろしている。
「お母さん、ここはトイレじゃないよ」
何十回目かわからない声かけをしながら、私はため息を胸の奥に飲み込んだ。

布団に戻っても眠れない。
枕元のスマホを開く指が震えているのに気づく。

──限界かもしれない。

私、藤田明美58歳。
3年前から要介護2の母を在宅で介護している。
夫は体力的にも手伝えず、私もパートを続けながらの毎日で、
心も体も、いつ崩れてもおかしくなかった。

ふと表示された広告欄に、見慣れない言葉があった。
「看護小規模多機能型居宅介護」。

(何これ……? 泊まり? 夜間? 看護師常駐?)

そのまま、私は目を凝らした。


■第2章 “ゆっくり 一緒に 楽しく”と書かれた看板

翌日。パートの昼休み、私は思い切って問い合わせボタンを押した。
しつこい営業があったらどうしよう……そんな不安を抱えながら。

ところが、返ってきたのは柔らかい声だった。

「藤田様、今日は問い合わせありがとうございます。
 もしよろしければ、ケアマネジャーさんと一緒に見学日程を調整しましょうか?」

ああ、この感じーー押しつけじゃなくて、寄り添ってくれる。

数日後、私は母と一緒に施設を訪れた。
玄関には「優っくり」の文字。

スタッフが笑顔で迎えてくれて、
母は初対面なのに手を握られながら
「まあ、優しい人ねぇ」と頬を緩ませた。

(こんな母の顔、久しぶりに見た……)


■第3章 “すべてがつながる安心”という仕組み

案内してくれた看護師さんが、
色鮮やかなスケジュール表を指さしながら説明してくれた。

「ここは“通い(デイサービス)”“訪問介護・訪問看護”“泊まり”
 が全部セットになっているんです」

「えっ、全部?」

「はい。母娘さんで“今日だけ泊まりたい”というケースも
 よくありますよ。急な用事のときでも大丈夫です」

私は息をのんだ。
ずっと探していた“もしもの夜”の逃げ場が、こんなに身近にあったなんて。

さらにスタッフは続けた。

「夜間の見守りもできますし、体調が悪いときは
 看護師がすぐ確認します。認知症の方も多いので、
 徘徊や不安が強い夜も一緒に対応しますね」

胸の奥にある硬い石が、少しずつほどけていくのがわかった。


■第4章 “休んでもいい場所”を見つけた日

見学の最後に、職員が静かに尋ねた。

「藤田様。
 ご自身が休む時間、どれくらい取れていますか?」

言葉が出なかった。

私が泣きそうになっているのを察したのか、
スタッフはそっとカウンター越しに温かいお茶を出してくれた。

「介護は、お一人で抱えるものじゃありません。
 “お母さんの尊厳”を守るためにも、
 藤田様の“休息”が大事なんです」

その一言で、張り詰めていたものが
音を立ててほどけた。


■第5章 始まった“新しい生活”

母は週に数回の通いを利用し、
私がどうしてもの時は泊まりをお願いするようになった。

私自身は、昼休みにスマホから
ケアマネ同席の相談予約を入れたり、
制度の使い方のガイドを読んだりして
少しずつ生活が変わっていった。

何よりーー
母の笑顔が増えた。

そして、私にも“息をする余裕”が戻ってきた。


■おわりに

もし、あの日の私と同じように
「夜が怖い」「急な泊まりが必要」「誰かに相談したい」
と思っている方がいたら、ぜひ一度ご相談ください。

看護小規模多機能型居宅介護は、
あなたとご家族の“安心の逃げ場”になる場所です。

「ゆっくり・一緒に・楽しく」
そんな暮らしを、あなたにも。


■追記:明美さんのように悩む方へ

✔ 夜間の見守り/体調不安
✔ 急な泊まり
✔ 在宅介護の限界感
✔ ケアマネ同席での個別相談
✔ 制度の使い方も丁寧に案内

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