優っくりグループホーム板橋四葉

Yu-kuri Group Home Itabashi Yotsuba

2025.12.04

  • グループホーム

距離はあっても、守れる未来がある──グループホームが教えてくれた見守りのかたち

本記事はノンフィクションです。ライトノベル形式でグループホームをご案内します。

第1章 千葉から八王子へ、気持ちだけが追いつかない

松戸市のマンション。
夜、IT企業に勤める山口翔太(38歳)はノートPCを閉じて大きく背伸びをした。

そのタイミングで、実家の八王子に住む母から着信。

「しょうちゃん、今日ね……あれ? 何の話だっけ……」

最近増えた、“途中で話を忘れる”電話。

翔太は笑って返すけれど、
胸の奥に常にひっかかる不安が消えない。

(月1回の帰省じゃ……母の変化をちゃんと見てあげられてないかもしれない)

妻と子どもの生活。
フルリモートの仕事。
やらなきゃいけないことは山ほどあるのに、
頭の片隅はいつも母のことだった。


第2章 転倒──その一報で世界がざわついた

数日後、地域包括から電話が入った。

「お母さまが自宅で転倒されました。
幸い大事には至りませんでしたが……少し不安が大きくなっています」

翔太は手の震えを押さえながら
「すぐ行きます」と答えた。

電車の中。
焦りと、罪悪感と、後悔が胸を締めつける。

(どうして今まで“なんとかなる”と思ってたんだ……)

離れて暮らす罪悪感は、
この日、言葉にならないほど重くのしかかっていた。


第3章 “遠方介護の限界”を知る日

八王子の実家に着くと、母は元気そうに笑っていた。

「ちょっと転んだだけよ」

だけど、テーブルの上には食べかけのままの惣菜。
洗濯機の中には、洗われていない衣類。
メモには意味のない文字。

翔太は気づいてしまった。

(これは……日常生活に支障が出てきている……)

遠方に住む自分には、
毎日見守ることも、夜中に駆けつけることもできない。

どんなに頑張っても、
どうしても埋められない“距離の壁”が現実だった。


第4章 地域包括がくれた、“罪悪感を溶かす言葉”

相談した地域包括の担当者は、
翔太の顔を見て、まるで心を見透かしたように言った。

「離れて暮らすご家族ほど、
“全部自分がしなきゃ”って思って無理をされます」

「はい……まさに、そうです」

グループホームという選択は、
お母さまを“預ける”のではなく、
あなたの代わりに“見守る人を増やす”んです。

その言葉が、心にすっと染み込んだ。


第5章 見学の日──遠方介護が“ひとりじゃなくなる”瞬間

翌週、翔太は母を連れてグループホームを見学した。

庭では入居者が散歩を楽しみ、
リビングではスタッフと利用者が笑い合っている。

スタッフの女性が優しく母に声をかけた。

「お部屋、見てみます?」

母は照れくさそうに笑い、
案内された部屋に入ると、ぽつりと言った。

「ここ……ほっとするねぇ」

翔太は胸が熱くなった。

スタッフが説明してくれる。

「離れて暮らすご家族向けに、
毎日の様子をLINEでお知らせすることもできますよ」

「えっ……そんなことまで?」

「はい。お仕事で忙しいご家族にも安心していただけるよう工夫しています」

胸の奥に、初めて“希望”の文字が灯った。


第6章 八王子と松戸の距離が、ほんの少し縮まった

母はグループホームに入居することを決めた。
不安よりも、安心感のほうが大きかったのだろう。

その日から翔太のスマホには
「今日のお昼はお蕎麦でした」
「散歩で梅の花を見てきました」
そんな写真が送られてくるようになった。

画面の中の母は、穏やかで、楽しそうで、
“どこかに置き忘れていた笑顔”だった。

翔太は気づいた。

(距離があっても、見守れるんだ)

(離れていても、親孝行ってできるんだ)


🌈 エピローグ

──“遠くに住んでいても、守れる未来がある”

もしあなたが今、

✔ 仕事があり、頻繁に帰省できない
✔ 夜中の電話が怖い
✔ 離れているからこそ不安が大きい
✔ でも“施設に入れる”ことへの罪悪感が消えない

そんな気持ちを抱えているなら──

グループホームは、距離に悩む家族にこそ必要な選択肢です。

あなたの代わりに、
毎日、24時間、近くで生活を支えてくれる仲間ができる。

それは“親を手放す”ことではなく、
“あなたの手を離さない仕組みをつくる”ことなのです。

まずは、見学から。
あなたの不安がそっと軽くなる扉が、そこにあります。

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