優っくりグループホーム板橋四葉

Yu-kuri Group Home Itabashi Yotsuba

2025.12.04

  • グループホーム

限界の夜を越えて──父と私を救った場所、グループホーム

本記事はノンフィクションです。ライトノベル形式でグループホームをご案内します。

第1章 崩れ落ちた廊下で

東京都府中市。
時計の針が深夜1時を指したころ、
佐伯由美(47歳)はようやく布団に身体を沈めた。

しかし、廊下から“トン……トン……”と足音が続く。

「……お父さん、また起きてるの?」

扉を開けると、78歳の父が不安そうに立っていた。

「トイレ……どこだっけ……?」

昨日も、一昨日も、その前も。
夜の徘徊、排泄の失敗、不安の発作。
睡眠時間は3時間を切っていた。

(私、いつまで耐えられるんだろう……)

気づけば、由美の頬を涙が伝っていた。


第2章 “もう一人で抱え込まないでください”の言葉

翌朝、仕事帰りに立ち寄った地域包括センターで、
担当の職員が静かに声をかけた。

「由美さん、限界まで頑張ってしまう方ほど、
“グループホーム”が合うことが多いんですよ」

「グループホーム……?」

「少人数で、24時間スタッフが見守ります。
認知症の方が落ち着ける生活リズムで、
自宅のように過ごせる場所です」

由美は思わず笑ってしまう。

「私、お父さんを施設に入れるなんて、まだ……」

「“入れる”じゃなくて“支える仲間を増やす”なんです。
ご家族の力だけでは、もう無理なんですよ」

職員の優しい眼差しに、胸の奥が少し緩んだ。


第3章 見学の日──父の笑顔、私の肩の荷がふわりと下りた

週末、由美は父を連れて近くのグループホームを訪れた。

玄関を入った瞬間、
家庭料理の匂い。
明るいリビング。
スタッフの柔らかな声。

「こんにちは。ゆっくり見てくださいね」

父は、案内された居室の窓から庭を眺めて呟いた。

「ここ……静かでいいなぁ……」

さらに驚いたのは、レクリエーションの時間だった。

スタッフ:「一緒にお茶を淹れてみませんか?」

父:「……できるかな?」

由美は初めて見る父の表情に息を飲む。
“困っている人”ではなく、“生活を楽しむ一人の住人”の顔だった。

(あ……お父さん、まだこんな表情できるんだ……)

胸の奥がじんわり熱くなる。


第4章 “在宅介護の限界”は、あなたのせいじゃない

帰り道、父はぽつりと言った。

「ここなら……迷惑かけなくて済むかな」

迷惑なんて思ったことはない。
でも、胸が痛むほどに、その言葉が優しかった。

地域包括の担当者の言葉が蘇る。

「家族だけで抱え込む時代は終わっています」

「あなたが無理をする必要はありません」

その夜、由美は久しぶりに6時間眠れた。


第5章 父と私の“第二の暮らし”が始まる

数週間後。
父はグループホームにすっかり馴染み、
毎日の散歩やお茶会で新しい友人までできた。

由美も、心の余裕を取り戻していく。

仕事も、子どもの受験も、家族の生活も。
以前より前向きに考えられるようになった。

父の表情は穏やかで、
由美は初めて実感した。

(在宅だけが“正解”じゃなかったんだ)

グループホームは、
“家族を手放す場所”ではなく、
**“家族を守るための選択肢のひとつ”**だったのだ。


🌼 **エピローグ

──あなたも、もう一人で抱え込まなくていい**

もし、今のあなたが由美と同じように

✔ 夜の徘徊に不安
✔ 介護と仕事の両立が限界
✔ 家族の笑顔が消えていく
✔ 「このままじゃ壊れてしまう」と感じる

そんな日々にいるなら──

一度、グループホームを見学してほしい。

あなたの肩の荷がふわりと軽くなる瞬間が、
きっと訪れるから。

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