2026.07.08
- ニュース
超音波マイクロバブルで癌を破砕
大阪公立大学大学院医学研究科 肝胆膵外科学の研究グループは、「超音波マイクロバブルを用いた無侵襲的な(切開も穿刺も伴わない)肝癌破砕治療の安全性や治療成績の確認を目的とする、日本初となる特定臨床研究を開始した」と発表しました。本研究では、「体外から照射する超音波を肝内の一点に収束させ、そこで発生するマイクロバブルにより、肝細胞癌と転移性肝癌の破砕治療を行う」と述べています。「メスによる切開や針の穿刺、放射線被ばくを伴わず、入院期間が短い(1泊の計画)ため、高齢者や重篤な併存疾患を抱える患者、早期の社会復帰を希望する患者に新たな治療選択肢を提供できる可能性がある」とも述べています。当プレスリリースによると、「肝細胞癌」は肝炎や脂肪肝を背景に発生するとか。ただ、根治には手術や経皮的焼灼療法が行われますが、患者の高齢化が顕著であり、十分な治療を実施できないことが増えているといいます。したがって、近年普及している腹腔鏡やロボット手術による低侵襲手術よりも更に身体的なダメージの少ない治療法が求められているのが現状だそうです。今回の研究で用いられた「ヒストトリプシー装置」は2021年、米国FDAに「画期的医療機器」に指定され、2023年には正式な市販承認を得ているものです。また、欧州でもCEマーキング(安全、健康、環境保護に関するEU基準に適合している製品であることを示す表示制度)の取得手続きが進み、アジア地域では台湾やシンガポールなどでの承認取得が計画されていると説明しています。加えて、「これまでに、米国を中心とした100以上の医療施設で2000例を超える治療実績がありますが(未公表データ)、日本での実施例はまだない」そうです。本研究グループは、「初期導入の結果が良好であれば、国が国内での製造・販売承認、保険適用を検討するための基礎データになる予定です。肝細胞癌・肝転移の患者に、より低侵襲で早期の社会復帰を実現する新規治療を広く提供する道が開くことが期待されます」と結んでいます。
超音波マイクロバブルで癌を破砕する特定臨床研究を開始~切開も穿刺も行わない無侵襲的なアプローチ、癌治療の新たな選択肢として期待~|大阪公立大学
画像はプレスリリースから引用させて頂きました。
SM

