2026.06.24
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スローランニングによる「心的外傷後ストレス障害」治療
心的外傷後ストレス障害 (PTSD) の治療法は、トラウマとなった恐怖記憶に対して「その状況はもう安全である」ことを繰り返 し学習する消去学習を通じて恐怖反応を軽減することが重要な治療目標だそうです。さらに、近年は、運動がPTSD の予防や治療に有効な、低コストで副作用のない介入法として注目されているといいます。ただ、中〜高強度の運動では身体的・精神的ストレスを伴うため、「スローランニングに相当する低強度の走運動でも、恐怖記憶の消去を促進できることを明らかにした」と述べるのは筑波大学サイバニクス研究センターの研究グループです。本研究では、このメカニズムを検証するため、恐怖を覚えさせる恐怖条件付けを行ったラットに4週間にわたる低強度走運動(スローランニングに相当)トレーニングを施した後、脳活動を評価したそうです。すると、恐怖反応の調節に関与する脳領域のうち、特に恐怖記憶の想起に重要な役割を果たす海馬背側CA3領域において活動低下が認められたといいます。さらに、「この領域の活動レベルは恐怖反応の強さと正の相関を示し、活動が低いほど恐怖反応も弱まることが明らかとなった」とも述べています。以上の結果から、「習慣的な低強度走運動は、恐怖記憶の想起や不安表出に関わる海馬活動を抑えることで 恐怖記憶の消去を促進するというメカニズムが示唆された」と述べ、「今後、こうしたさらなる神経メカニズムを検証していくことで、スローランニングのように誰にも可能な低強度の運動が、PTSD 患者にとって取り組みやすく、かつ有効な非薬物療法であることを強固な神経科学的なエビデンスに基づいて裏付けられることが期待されます」と結んでいます。
習慣的な低強度走運動は恐怖を思い出す海馬の活動を抑え、恐怖記憶の消去を促進する | 医療・健康 - TSUKUBA JOURNAL
SM

