2026.04.01
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脳の免疫細胞の連携とパーキンソン病の神経変性
パーキンソン病では、「脳の免疫細胞と末梢から来るT細胞の連携が病気を進める可能性が指摘されている」とのことですが、その反応が先に起き、どう連鎖するかは十分に検証できていなかったと言います。そこで、大阪大学大学院医学系研究科らの研究グループは、「パーキンソン病に関わる脳内の炎症反応において、ミクログリア(脳に存在する免疫細胞)とT細胞の相互作用が病理を増幅し、神経変性を進めるしくみを明らかにした」と発表しました。具体的には、マウスモデルによる実験によって、「ミクログリア反応とT細胞浸潤の関係を検討することで、ミクログリア反応は早期に出現し、その後に脳内へのT細胞浸潤が増大することが明らかになった」と述べています。加えて、「ミクログリアを薬で減らすとT細胞の浸潤が抑えられ、またT細胞を欠損させたマウスではαシヌクレイン(神経細胞に多く存在するタンパク質)の病理変化、黒質ドパミン神経(運動の調節に重要な神経細胞)の変性が抑えられた」ということです。ご存知のように、「パーキンソン病は、手のふるえや動作緩慢、筋固縮などの運動症状を呈し、進行すると日常生活に大きな支障を来す神経変性疾患です」。本研究グループは、「パーキンソン病における免疫反応と神経変性の関係を理解するうえで、今回の研究は重要な知見を提供するものです。今後、ミクログリアとT細胞の関与をより詳細に検証し、病態に不利な炎症反応を適切に抑える方法を開発することで、治療戦略の検討につながることが期待されます」と結んでいます。
SM

