港区立高輪いきいきプラザ

2026.03.13

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小児期逆境体験と高齢者の死亡リスクの関係

「日本人高齢者約1.3万人を6年間追跡した大規模縦断研究により、小児期逆境体験(ACEs)と高齢期の死亡リスクとの関連を検証した」と発表したのは、東京科学大学医歯学総合研究科公衆衛生学分野の研究チームです。「小児期逆境体験」とは、18歳未満で経験した身体的・心理的虐待、ネグレクト、家庭内の機能不全などの総称です。本研究では、要介護認定を受けていない65歳以上の高齢者12,698人を対象に、6年間の追跡調査を行い、その結果、全体としてはACEsと死亡リスクとの間に統計的に有意な関連は認められませんでしたが、離別または未婚の男性に限定すると、ACEsの保有数が多いほど死亡リスクが有意に高くなることが明らかになりました。一方で、女性(配偶者の有無にかかわらず)や有配偶の男性では、このような関連は確認されなかった」と述べています。加えて、高齢期の男性において、配偶者の存在が小児期の逆境体験による健康への長期的影響を緩和する重要な資源となっている可能性を、疫学的に示したとも述べています。これは、独身化が進む現代社会において、家族以外の社会的ネットワークの重要性や、トラウマインフォームドケア(過去の心的外傷に配慮した支援)の視点を取り入れた高齢者支援の必要性を示唆するものであるということです。さらに、配偶者を持たず、かつ複数の逆境体験を有する男性は、健康リスクが高い集団である可能性があり、今後、公衆衛生上の重点的な介入が求められるといいます。本研究チームは、「今後は、配偶者以外のどのような社会的つながり(友人関係や地域活動など)がACEsの悪影響を緩和し得るのかを明らかにするとともに、死亡原因別(がん、心疾患など)の詳細な分析を進めることで、より具体的な予防策の立案につなげていくことが期待されます」と結んでいます。

https://www.isct.ac.jp/ja/news/9ymy27o09mqj

 画像はプレスリリースから引用させて頂きました。

SM

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