2026.02.27
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高齢者が要介護にならないためには、「開放性」と「勤勉性」が大切
高齢者が自立して生活できる事、そして要介護状態にならないための予防は喫緊の課題です 。これまでも、パーソナリティ(個人の行動や思考を特徴づける特性)が認知機能や身体機能など、様々な心身の健康指標と関連することが報告されてきましたが、日本人高齢者の長期的な要介護状態の発生とパーソナリティがどのように関連するかについては、十分に解明されてこなかったといいます。そこで、国立長寿医療研究センター老化疫学研究部らの研究グループは、「地域在住の高齢者を最長約22年間追跡した調査データに基づき、パーソナリティが将来の要介護発生リスクに与える影響を明らかにした」と発表しました。当プレスリリースによると、「パーソナリティは生涯を通じてあまり変わらないものと考えられていた」そうですが、近年の心理学研究では、人生後半期においても、社会や家庭における役割の遂行、人生において直面するさまざまな出来事の経験等を通じて、柔軟に変容し得ることが示されているといいます。そこで、本研究グループは、この「変容の可能性を持つパーソナリティが、高齢期の自立維持において重要な役割を果たすことを科学的に解明した」と述べています。具体的には、「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学調査(NILS-LSA)」に参加した、地域在住の65歳から84歳の男女1,003名を解析対象に、ただし、初めてパーソナリティ調査を行った「ベースライン」から2年以内に要介護認定を受けた方は除外し、これらの対象者を最長21.8年(平均12.2年)にわたり追跡し、要介護認定の発生について調査したそうです。そして、人のパーソナリティを以下の5つの主要な次元で捉え、評価しました。
➀神経症傾向(Neuroticism): 心配性で傷つきやすい傾向
➁外向性(Extraversion): 社交的で活動的、積極的である傾向
➂開放性(Openness): 好奇心が強く、新しい経験を好む傾向
④調和性(Agreeableness): 思いやりがあり、他者に対して親切で協力的である傾向
➄勤勉性(Conscientiousness): 真面目で、計画的である傾向
そこで、パーソナリティの2つの特性が要介護認定リスクを有意に低下させることが明らかとなったという事です。すなわち、開放性(好奇心が強く、新しい経験を好む傾向):スコアが1標準偏差上がるごとに、要介護認定リスクが12%低下していた点と、勤勉性(真面目で、計画的である傾向):スコアが1標準偏差上がるごとに、要介護認定リスクが9%低下していたことです。本研究グループは、パーソナリティがヘルシー・エイジングを支える重要な心理的リソースとなる可能性が示されましたと述べ、「今後は、個人のパーソナリティに応じた個別化対応の展開が期待されます。例えば、開放性が高い方には、より好奇心を刺激する新たな社会参加プログラムを提案する、勤勉性が低い方にはIT活用、あるいは家族の協力を得て計画を実行できるように補完する仕組みをつくるなど、個人の強みを活かし、弱みを補うアプローチが、より効果的な介護予防に繋がると考えられる」と結んでいます。
高い開放性、勤勉性は、高齢者の要介護発生リスクの低下と関連する | 国立長寿医療研究センター
SM
