2026.02.18
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欧米人と日本人の腸内フローラの違いは?
腸内細菌叢という言葉をよく耳にしますが、別名「腸内フローラ」といい、大腸に棲む細菌のことを腸内細菌と呼びます。ヒトの腸内に棲息する細菌の種類は500〜1000とも、あるいは3万とも言われていますが、その腸内フローラのバランスは、「善玉菌2割、悪玉菌1割、日和見菌7割」が理想だそうです。ただ、様々な理由でそのバランスは簡単に崩れてしまうとか。さて、本題ですが、日本人5000人以上の腸内マイクロバイオーム(腸内の細菌などの遺伝子や機能を含めた全体の集まりを指す用語)のデータを世界36カ国(25000人以上)のそれと比較し、日本人の腸内環境に見られる特徴を体系的に明らかにした、と発表したのは東京大学大学院新領域創成科学研究科付属生命データサイエンスセンターらの共同研究グループです。そこで明らかになったのは、日本人はビフィズス菌が豊富であるということです。その理由ですが、遺伝的背景の他に、牛乳などの乳製品摂取の相互作用による形成があり、加えてノリやワカメなどの海藻類の多糖類を分解する酵素が、日本人の約90%で検出されました。一方、こうした傾向は他地域ではほとんど見られなかったそうです。特に興味深いのは「多くの日本人は、牛乳に含まれている乳糖を小腸で完全に分解できず、一部が大腸まで届くのですが、この乳糖がビフィズス菌にとって重要な栄養源となり、腸内での増殖を促している」というのです。一方、欧米人は乳糖を分解できるため、牛乳を飲んでもビフィズス菌の増加にはつながりにくいそうです。さらにノリやワカメについても、海藻に含まれる多糖類は、野菜や穀物に含まれる多糖とは化学構造が大きく異なり、その分解には専用の酵素が必要だとか。この酵素、日本人を含む東アジア人には高頻度に見られる一方で、欧米人ではほとんど検出されないことも分かったそうです。このことは「腸内細菌が食文化に適応し、ヒトと共生しながら進化していたことを示す好例である」と述べています。本研究グループは、「日本人を対象とした大規模かつ高精度な解析は、将来の予防医学や個別化医療の基盤となることが期待されます」と結んでいます。
https://www.k.u-tokyo.ac.jp/information/category/press/0029170.html
画像はプレスリリースから引用させて頂きました。
SM

