2026.02.11
- ニュース
がん化学療法の効果を高めるタンパク質とは?
がん治療のひとつに化学療法がありますが、そこで使われる薬には多くの種類があり、それぞれ効果を発揮するがんの種類やメカニズムが異なると言われています。たとえ、がんの病名が同じでも、患者の体の状態、がんの進行度、遺伝子の特徴などによって、薬の種類や組み合わせ、投与方法も異なるとも言われています。さて、そのようながん化学療法ですが、その効果を治療開始前に予測するためのバイオマーカー(生物学的指標)が必要とされている、と述べるのは愛媛大学プロテオサイエンスセンターの研究グループです。そして、「がん化学療法の効果を高める重要なタンパク質『SLFN11(シュラーフェンイレブン)』の働きを明らかにした」と発表しました。実際、がん化学療法の効果には個人差があり、治療を始める前に薬が効くかどうかを予測するのは難しいのが現状だそうです。最近の研究で、SLFN11というタンパク質を多く持つがん細胞では化学療法がよく効くことがわかってきましたが、その具体的な仕組みについては謎が多く残されていたそうです。そこで、本研究では、「SLFN11が薬剤投与中にがん細胞を『アポトーシス」』細胞の自然な死のプロセス)へと導く仕組みを発見した」といいます。加えて、SLFN11の検出は、一般病院で広く行われている病理検査を利用することで可能だとか。このタンパク質は、がんの種類によりますが、約半分のがんで検出されるそうです。このため、「今回の発見により、がん治療における『精密医療(患者個々のがん特性に合わせた治療)』が、従来の一部の治療薬だけでなく、広く化学療法でも実現できる可能性が開かれたと述べています。本研究グループは、「SLFN11が抗がん剤の効果を高めるメカニズムを包括的に理解する上で重要な進展であり、SLFN11を基盤とした精密化学療法の実現に向けて大きな一歩となる。SLFN11の機能を最大限に生かすことで、より多くの患者に最適な治療を届ける未来が期待される」と結んでいます。
https://research.ehime-u.ac.jp/post-ja/post-2153/
画像はプレスリリースから引用させていただきました。
SM

