2026.01.14
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食道がんの新たな治療法とは
ご存じのように、食道がんは男性に多いがんで、治療には手術が一般的ですが、体力的な理由や食道の温存を希望される場合、「抗がん剤と放射線療法の併用(化学放射線療法)」で治すケースもあるようです。しかし、この方法だけでは、がんが再発してしまうことが少なくないのが課題だとか。そこで、食道がんの化学放射線療法と免疫チェックポイント阻害薬を同時に使う方法があるのですが、残念ながら、「副作用が強く出すぎてしまわないか、本当に治療効果が上がるのか、治療効果が上がる場合どのような方に効果が高いのかについては、これまで十分なデータがなった」ということです。京都大学医学部付属病院は、国立がん研究センター中央病院、国立がん研究センター東病院、千葉県がんセンター、北里大学医学部とともに、「2019年1月から、切除可能および切除不能な食道扁平上皮がん患者を対象に、根治的化学放射線療法に免疫チェックポイント阻害薬であるニボルマブを併用する治療法の安全性と有効性を調べる医師主導治験を実施した」と発表しました。その結果、「懸念されていた副作用(重篤な肺臓炎など)の頻度は増えず、治療が安全に行えることが確認。さらに、食道がんが画像検査で完全に消失する割合は、73%と非常に高く、1年後の生存割合も92.7%と良好な成績であった」と述べています。加えて、治療前の検査でがん細胞の遺伝子の発現を詳しく調べたところ、「免疫の働きが活発ながん」ほど、この治療が良く効くという傾向が見つかったといいます。これは、将来的に「どの患者さんにこの治療を行えばよいか」を事前に予測する重要な手掛かりになるだろうとのことです。本共同研究グループは、「今回の研究で、抗がん剤と放射線療法の併用(化学放射線療法)に免疫チェックポイント阻 害薬を同時に加える治療法は、安全であり、かつ再発を減らして生存率を高める期待が持てることが世界で初めて示された」と述べ、特に腫瘍組織における遺伝子の発現を調べることでこの治療が効きやすい人を見分けられる可能性が示唆された点は、患者さん一人一人の体質に合わせた最適な医療を実現するための大きな一歩である、と結んでいます。
食道扁平上皮がんに対する根治的化学放射線療法と免疫チェックポイント阻害薬の併用療法の有効性と安全性を明らかにしました(NOBEL試験)―治療効果が高い患者さんを見分ける手がかりも発見― | 京都大学
画像はプレスリリースから引用させて頂きました。
SM

