2026.01.07
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自閉スペクトラム症者の心理的メカニズムとは?
おとなの自閉スペクトラム症者(ASD)の特徴として、「対人的な相互性の欠如により、仲間関係を構築しにくい」「視線、表情、仕草を使ったやりとりの傾向」「興味あるものを他人と共有できない」などが挙げられていますが(勿論個人差はありますが)、これは日常生活に何らかの支障をきたす発達障害の一つだという指摘もあります。さて、前置きはさておき、大阪大学と千葉大学の共同研究グループは、「おとなの自閉スペクトラム症者は能力主義的なマイクロアグレッション(さりげない差別的言動)にさらされると、非自閉スペクトラム症の人に合わせて発達特性を抑え、同化行動を取るという社会的カモフラージュ行動を引き起こす心理的メカニズムを明らかにした、と発表しました。実は、こうした「マイノリティ・ストレスを引き起こすメカニズム」は、十分に解明されていなかったそうです。本研究では、自閉症の若者330名を対象に、オンライン調査を実施。そこで、「能力主義的マイクロアグレッション」と「自閉スペクトラムに対する受容感、孤独感、カモフラージュ」について測定。その結果、能力主義に基づくさりげない差別的言動が多いほど、マスキング、補償、同化といった3つのカモフラージュ行動が増加し、長期的にはメンタルヘルスの悪化や燃え尽き症候群のリスクを高める可能性があると述べています。因みに、「能力のある人ほど優れている」という価値観ですが、一見努力すれば報われるという前向きの考え方として捉えがちです。しかし、実際には発達特性や障害による困難を「努力不足」として否定し、過度なストレスを与えることがあるということです。本共同研究グループは、「自閉スペクトラム症者の周囲の方の態度が変わることで、自閉スペクトラム症者が同化しなくてもよくなるかもしれないという画期的な研究になることを期待する」と結んでいます。
https://www.chiba-u.jp/news/research-collab/pdf_1.html
画像はプレスリリースから引用させて頂きました。
SM

