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2025.12.03

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レーズン水がワインになる仕組みとは?

京都大学農学部・農学研究科の研究グループは、「レーズンを水に浸漬する(レーズン水)だけでワインができる仕組みの一端を明らかにした」と発表しました。本プレスリリースによると、「19世紀には、レーズン(干しブドウ)はパン種に用いられており、レーズンに真核生物であるアルコール発酵性パン酵母が存在することが知られていた」といいます。さらに、レーズンを原料とするワインも製造されていたとか。一方、ブドウにはアルコール発酵性酵母がほとんど検出されないそうです。一方、レーズンにおけるアルコール発酵性酵母の由来やレーズン水からワインができるプロセスでの微生物動態には不明な点が多く存在しています。そのため、本研究では、「ブドウ、レーズン、およびレーズン水における微生物叢の動態を調べるとともに、レーズン水の発酵試験における成分変化を解析」。その結果、「ブドウと比較してレーズンにアルコール発酵性酵母が高頻度に検出された」そうです。市販レーズンを水に浸したまま常温で静置すると「発泡が観察されるとともに、ブドウ糖の減少に伴ってアルコール発酵性酵母が優占増殖し、アルコール濃度が8%以上に上昇」。さらに、「農園で採取したブドウを乾燥させた自作レーズンでも同様の発酵試験を行ったところ、天日干ししたレーズンと水からはワイン様の酒類が生じることが明らかになった」と述べています。本研究グループは、「さまざまな微生物が活躍する自然発酵のメカニズムを分子レベルで明らかにしていくことで、個性豊かな酒類の創出につなげたい」と述べ、そして「ブドウやレーズンをはじめ、種々の果実に常在する微生物叢と果実及び微生物の相互作用に関わる分子メカニズムを明らかにし、自然発酵による新たな食品の創製やフードロス対策を目指したい」と結んでいます。

レーズン水が自然発酵によりワインになる仕組み―ワインの原型のひとつか?― | 京都大学

画像はプレスリリースから引用させていただきました。

SM

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