2025.11.26
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「診断難民」の病因を解明
「長年原因不明の症状に苦しむ患者を対象に、全ゲノム解析とAIによるタンパク質構造予測を組み合わせた統合解析を実施し、病気の原因となる遺伝子変化を特定した」と発表したのは、東京大学先端科学技術研究センター及び順天堂大学大学院医学研究科の共同研究グループです。加えて、「この遺伝子変化がDNA修復に関わる酵素の分子構造を変化させ、その働きを妨げる可能性を明らかにした」とも述べています。当プレスリリースによると、「多くの患者が、長年にわたり原因不明の体調不良や慢性症状に苦しみながら、医学的に明確な診断が得られないまま放置される、いわゆる『診断難民』が深刻な社会的課題」でした。そして、これらの患者の中には、全ゲノム解析を受けて変異が見つかってもその意味がわからず、診断に結びつかないケースが少なくなかったとか。実は、その背景には、遺伝子変化がタンパク質の立体構造や機能にどのような影響を及ぼすかを分子レベルで解釈する手法が限られていたからだということです。そこで、本研究では、「全ゲノム解析→AI構造予測→分子科学的解析」という新しい診断支援の枠組みを実証。今後、今回の研究成果によって、これまで診断がつかなかった患者の病因解明と診断支援が加速することが期待される、と結んでいます。
全ゲノム解析とAIタンパク質構造予測で「診断難民」の病因を解明―未診断疾患を救う新しい診断支援アプローチ― | 東京大学 先端科学技術研究センター
画像はプレスリリースから引用させていただきました。
SM

