港区立高輪いきいきプラザ

2025.11.21

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複雑な交通状況に対応するAIナビゲーション

人工知能(AI)を活かした運転支援システムが高度化している中、AIによる画像認識や人間が理解できる言語を出力できる「自然言語生成」の技術が注目されており、これらのナビゲーションシステムへの応用研究も進められているそうです。そうした背景から、中部大学工学部及び大学院工学研究科ロボット理工学専攻らの研究グループは、「車載カメラで取得した走行映像から周辺の車両や歩行者などのオブジェクトを抽出し、それらを頂点(ノード)、オブジェクト間の空間的・時間的な関係を辺(エッジ)とする「グラフ構造」として捉える方法に着目し、その構築したグラフから車両の周辺状況を学習し、多様で自然な表現を持つ文章の生成が可能な手法を開発した」と発表しました。従来のナビゲーションは「地図データ」と「静的ルート情報」に依存しており、周囲の環境変化や交通状況の複雑さに十分に対応できないといいます。例えば、交差点で複数の車両や歩行者が交錯するような状況では、単純な「100m先を左折」といった指示では不十分であり、人間のように文脈を踏まえた案内が求められているとの事。当然、路面や車両、歩行者、信号機、看板といった非常に複雑な要素が空間内に含まれており、瞬時に最適な要素を選択して案内文を生成することは困難であるということです。そこで、「空間内の情報をグラフとして単純な形式にすることで、最適な特徴を作り出すことができる」ということです。加えて、運転時における周辺環境は刻一刻と変化しており、その時間的差分を十分に考慮する必要があり、そこで本研究では、「さらに時系列情報を考慮可能な形式に拡張した時空間シーングラフを導入し、文章生成モデルと組み合わせる手法を提案した」といいます。車載ナビゲーションシステムは、運転支援の重要な役割を担っています。そこで本研究では、さらに時系列情報を考慮可能な形式に拡張した時空間シーングラフを導入し、文章生成モデルと組み合わせる手法を提案。そのことで、「時空間的な関係理解に基づく案内文生成とその視覚的説明を両立する枠組みを確立できる」と述べています。本研究グループは、「今後はより複雑な交通環境や多様な運転シナリオへの適用、データ拡張による汎用化性能の向上が期待され、実環境への適用も検討していきたい」と結んでいます。

変化する複雑な交通状況でも人間のように道案内できるナビゲーションAIを開発ー国際会議で発表し早期の社会実装を目指すー(藤吉弘亘教授、山下隆義教授ら) | お知らせ | 中部大学

画像はプレスリリースから引用させて頂きました。

SM

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