2025.11.21
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シナプスの「個性」の可視化
ヒトの脳では数百億個の神経細胞が連絡を取り合って精密な神経ネットワークを構成していると言われています(国立精神・神経医療研究センターのHPより引用)。そして、神経細胞同士が連絡する接点は「シナプス」と呼ばれています。それは神経ネットワークの要といったところです。そのシナプスの「個性」を神経細胞1個全体にわたって可視化・解析できる「1細胞シナプトームマッピング法」を開発したと発表したのは、新潟大学脳研究所細胞病態学分野らの研究グループです。当プレスリリースによると、「神経細胞には数千個ものシナプスが存在し、学習前の弱いシナプスや学習後に強化されたシナプスなど異なる個性が備わっている」というのです。ただ、今までは1シナプスごとの詳細な情報を保ったまま、細胞全体にわたる大規模な解析を行うことは困難だったそうです。本研究グループは、「分子標識から画像解析に至る先端的技術を組み合わせることで、シナプスの個性の全体像を捉えることを可能にした」と述べています。今後、この技術を活かすことで「学習・記憶」などにおける脳内の情報処理のメカニズムや発達障害や認知症などの脳神経疾患における異常なシナプスの理解が飛躍的に進むだろうと結んでいます。
神経のつなぎ目の個性を1細胞丸ごと可視化する新技術を開発 -学習・記憶・脳神経疾患に関わる脳内情報伝達の全容解明に向けて大きな進歩- | 研究成果・実績 | 新潟大学脳研究所(脳研)
画像はプレスリリースから引用させていただきました。
SM

