港区立高輪いきいきプラザ

2025.11.21

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脳の記憶をつかさどる海馬の謎の解明

アルツハイマー病は、老人斑や神経原線維変化が、海馬という部分を中心に脳に広範に出現し、脳の神経細胞が死滅していく認知症の一つです。特に海馬を中心に脳の萎縮が見られるのが特徴です。因みに、海馬は記憶や空間認識、感情に深く関わる重要な部位であることは、皆さんご存じの通り。さて、本題に入りますが、東京医科大学組織・神経解剖学分野の研究グループは、「記憶や学習を司る脳の中枢である海馬 の形成過程において、これまで知られていなかった『先駆型』の神経前駆細胞集団を世界で初めて発見した」と発表しました。本研究では、「マウス胎仔の海馬に直接遺伝子を導入する子宮内電気穿孔法により、胎生12.5日目という極めて早い発生段階で標識した細胞を追跡。これにより、従来知られていた神経幹細胞とは異なる振る舞いをする細胞集団(先駆型細胞群)を発見した」とも述べています。本研究グループは、この研究成果を受けて、「海馬歯状回の形成メカニズムの一端を明らかにするとともに、今回確立した技術基盤は、海馬発生研究のさらなる展開への扉を開くものです。これらの成果は将来、発達障害やアルツハイマー病などの新たな診断法や治療法開発につながることが期待されます」と結んでいます。(歯状回は、記憶や学習に重要な役割を果たす脳の構造であり、神経新生が活発に行われる部位です。海馬体の別の部位である歯状回と海馬をあわせて「海馬」と慣例的に呼ぶことが多いそうです)。

【プレスリリース】脳の記憶中枢「海馬」形成の謎を解明 〜早期に運命決定される神経前駆細胞の発見が、発達障害の理解に新たな道筋〜 | 東京医科大学

画像はプレスリリースから引用させていただきました。

SM

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