2025.11.12
- ニュース
乾燥肌と種子用スイカ
空気が乾燥してくると、気になるのが乾燥肌ですが、実は、乾燥肌は単なる水分不足ではなく、皮膚バリア機能の低下を伴う生理的異常なのだそうです。 そこで、三重大学大学院生物資源学研究科の研究グループは、「加齢やホルモン変化、ストレスなどにより皮脂分泌が減少すると、皮脂膜が脆弱化し水分蒸散や炎症が進む悪循環が生じる」ということを踏まえて、皮脂分泌の正常化や皮脂膜再構築を通じて皮膚バリアを強化し、乾燥肌を根本的に改善する研究を進める中で、「種子用スイカから単離したコニフェリルアルコールが、ヒト皮脂腺細胞株SZ95細胞における皮脂合成促進効果を示すことを発見した」と発表しました。因みに、種子用スイカは、「白い果肉色、甘くない果肉、乾燥耐性を有する品種」だそうです。本研究では、この種子用スイカからフェニルアラニンやチロシンを基質として合成されるモノリグノールであるコニフェリン、p-クマリルアルコール、およびコニフェリルアルコールの含有を単離し、リノール酸にて刺激したヒト皮脂腺細胞における皮脂合成促進効果をOil Red O染色法にて検証しました。その結果、コニフェリルアルコールに濃度依存的な皮脂合成促進効果を確認し、脂肪滴の量および拡大を顕微鏡観察でも確認することができたと言います。本研究グループは、今後、これらの研究成果から、「種子用スイカを利用した化粧品原料の開発を進めたい」と結んでいます。
三重大Rナビ -三重大学の研究最前線- | 乾燥の季節に負けない肌へ、スイカの力 〜皮膚のバリア機能を助け、乾燥対策に新たな可能性を示す研究成果〜
画像はプレスリリースから引用させていただきました。
SM
