2025.11.12
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心不全にはタイプがある?
日本心臓財団のHPによると、「心不全」は病名ではなく、心臓に何らかの異常があり、心臓のポンプ機能が低下して、全身の臓器が必要とする血液を十分に送り出せなくなった状態を言うそうです。その心不全ですが、千葉大学大学院医学研究院らの研究グループは、「日本人集団と欧州人集団の心不全患者を対象に、心不全のタイプ別に異なる遺伝的な特徴を解明し、心不全が起こるメカニズムに集団ごとの違いがあることを明らかにした」と発表しました。加えて、「解析の結果から構築された心不全のなりやすさを点数化した『多遺伝子リスクスコア』や、心筋症の原因遺伝子である『TTN』変異のバイオマーカーを調べることで、心不全の進み方や予後を推定することが可能であることを発見した」とも述べています。因みに、この独自に開発された「多遺伝子リスクスコア」ですが、日本人集団に最適化されたことで高い精度を示し、高リスク者の早期発見や死亡リスクの層別化が可能となったそうです。ご存じのように、心不全は高齢化の進行とともに患者数が年々増え、命に関わる重大な疾患として社会的な問題となっていますが、これまでの大規模な遺伝子研究(ゲノムワイド関連解析)は欧米人のデータが中心であり、日本人を含む東アジアの人に特有の遺伝的要因は十分に解明されていませんでした。本研究グループは、「この成果は、心不全の精密な診断や治療薬開発につながるだろう」と結んでいます。
心不全のタイプごとに異なる遺伝的仕組みを解明 ―ゲノム解析で予後予測に道― | 国立大学法人 千葉大学|Chiba University
画像はプレスリリースから引用させていただきました。
SM

