2025.11.07
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歯科治療後の顔面痛をブロック
「歯科治療後に起こる顔の痛み『外傷後三叉神経ニューロパチー』の原因を明らかにした」と発表したのは、広島大学大学院医系科学研究科薬効解析科学の研究グループです。これまでは「痛みが発症してから抑える」治療法しかなかった病気でしたが、今回の研究成果により「痛みを未然に防ぐ予防」への全く新しい治療戦略が期待できる、と述べています。具体的には、マウスを使った実験では、「神経が傷つくと『HMGB1』という物質が放出され、それが『RAGE』という受容体と結びつくことで、炎症が起こり、痛みが慢性化することが分かった」ということです。本研究では、神経損傷の直後にRAGEの働きを止める薬を神経の近くに投与することで、痛みの発症を完全に防ぐことに成功。加えて、この薬は神経の周囲だけでなく、脳内の痛みを増幅させる細胞の働きも抑えることが確認されたそうです。今回の知見で得た予防戦略は、「歯科治療後の顔面痛だけでなく、様々な難治性疼痛へも展開できる可能性があるため、将来的にはより幅広い医療分野において、痛みの『治療』から『予防』へのパラダイムシフトを促すものと期待されます」と結んでいます。
【研究成果】歯科治療後の顔面痛、原因物質をブロックして予防に成功 ―痛くなる前に防ぐ、全く新しい治療戦略へ― | 広島大学
画像はプレスリリースから引用させていただきました。
SM

