港区立高輪いきいきプラザ

2025.11.05

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腸の健康を守るカギとは?

私たちの体では、様々な組織が常に新しく生まれ変わっています。中でも腸の内側を覆う「腸上皮」は、わずか45日で入れ替わるほど再生能力が高い組織だそうです。実は、腸の表面では古くなった細胞が次々と剥がれ落ち、腸のくぼみ(陰窩)の奥にある幹細胞が新しい細胞を生み出すことで、腸の健康とバランスが保たれているといいます。ただ、食べ物や環境が腸上皮幹細胞の働きに影響することが分かっていますが、その仕組みの多くはまだ明らかになっていなかったとか。そこで、徳島大学大学院医歯薬学研究部薬学域口腔科学部門口腔生命科学分野らの研究グループは、「腸の幹細胞で特に多く作られる酵素『RNF32』が、NF-Κb(免疫応答、細胞増殖などに関わる因子)の働きを調節することを発見した」と発表しました。この因子ですが、ストレスなどの刺激を受けると炎症や免疫応答を誘導するため、その活性化の異常は、がんや自己免疫疾患などに関係するといいます。さて、今回の研究では、RNF32はカルシウムの濃度が上がると活性化し、NF-κBを動かすスイッチのような役割を果たす分子群を働かせることで、細胞の反応をコントロールしていることが分かりました。RNF32が働かないと、 腸上皮幹細胞が正常に分化できなくなります。この成果により、RNF32が腸の健康や炎症反応を保つための新しい分子として重要であることが明らかになりました。本研究では、「RNF32は、カルシウムの濃度が上がると活性化し、NF-κB 動かすスイッチのような役割を果たす分子群を働かせることで、細胞の反応をコントロールしていることが分かった」そうです。加えて、「RNF32が働かないと、腸上皮幹細胞が正常に分化できなくなります。この成果により、RNF32が 腸の健康や炎症反応を保つための新しい分子として重要であることが明らかになった」ということです。本研究グループは、「今後は、RNF32を介した経路が炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)や大腸がんの発症にどのように関与するのかを詳細に解析し、さらに腸の炎症を抑え、組織の修復を促す『次世代型の幹細胞標的治療薬』の開発につなげていきたい」と結んでいます。

【プレスリリース】腸の健康を守るカギを発見! ― 細胞の防御スイッチ「RNF32」が働く仕組み ― - 国立大学法人 徳島大学

画像はプレスリリースから引用させていただきました。

SM

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