港区立高輪いきいきプラザ

2025.10.24

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老化組織を再生促進

私たちの体は、加齢とともに、DNA損傷、酸化ストレスなどさまざまな要因によって、細胞分裂が不可逆的に停止し、増殖能力を失います。これを「老化細胞」と呼ぶのだとか。で、この状態になると、炎症性サイトカインなどの成長因子を分泌する「老化関連分泌表現型(SASP)」を示すそうですが、これらの分泌因子は、周囲の組織に炎症や組織機能の低下を引き起こし、がん抑制や組織修復の障害になると言われています。そこで、国立研究開発法人産業技術総合研究所及び徳島大学大学院医歯薬学研究部歯学域口腔科学部門口腔外科学分野らの研究グループは、「リポソームによってマクロファージの表現型を操作することで、加齢で衰えた骨治癒機能を回復する技術を開発した」と発表しました。具体的には、今回、細胞の膜を構成するリン脂質の成分の一つであるホスファチジルセリンリポソーム(PSL)によって「炎症性のM1型から抗炎症性/治癒促進性のM2型へとマクロファージの表現型を操作することが、老化骨の再生の促進に有効であることを実証したそうです。ご存じのように、高齢者は骨がもろいため転倒などによる骨折のリスクが高く、それがきっかけで寝たきり状態に陥り、その結果、筋力低下や認知症発症のリスクが高まります。本研究グループは、「高齢者の骨治癒を促進することで、この連鎖を断ち切れる可能性があり、健康長寿社会の実現や医療費コストの削減を後押しします」と述べています。

【プレスリリース】加齢で衰えた骨治癒機能を回復 月齢や性別の区別なく免疫細胞マクロファージの表現型を薬剤で操作する技術を開発 - 国立大学法人 徳島大学

画像はプレスリリースから引用させて頂きました。

SM

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