2025.10.24
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ブラッククミンシードの抗肥満効果
カレーやスープや炒め物などで使われるブラッククミンシード。数多くあるスパイスの中でも、特に抗酸化作用や抗炎症作用の機能を持つと言われています。そのエキスをマウスの前駆脂肪細胞(脂肪細胞のもとになる細胞)に投与したところ、「脂肪滴の蓄積が大幅に抑制され、脂肪細胞に変化する働きが顕著に低下することが判明した」と発表したのは、大阪公立大学大学院生活科学研究科らの研究グループです。因みに、脂肪滴というのは、「脂肪細胞内の中性脂肪を包み込んだ球状構造のこと」だそうです。さらに、「ヒト臨床試験において、1日あたり5gのブラッククミンシード粉末を8週間摂取したところ、血中脂質が改善した」ということです。実際、「血中の中性脂肪、LDLコレステロール、総コレステロールの値が有意に低下し、HDLコレステロール値は上昇傾向を示すなど血中脂質の改善が認められた」とも述べています。加えて、「CONAQ (Council on Nutrition Appetite Questionnaire)と呼ばれる食欲アンケート調査では、摂取による食欲低下などの負の影響は認められず、日常的に取り入れやすい食品素材であることが示された」と述べています。本研究グループは、今回の研究成果は、「ブラッククミンシードが脂質代謝を改善することが明らかになり、肥満や生活習慣病の予防に役立つ可能性が示唆された」と結んでいます。ともあれ、ブラッククミンシードは古来の知恵と現代科学が結びついた次世代の健康素材です。今後の食品・医療分野での応用が大いに期待されますが、一方で、より長期的かつ大規模な臨床試験や、インスリン抵抗性・炎症指標など包括的な代謝パラメータへの影響を検証することが課題である、と本研究グループは結んでいます。
ブラッククミンの抗肥満効果を細胞実験と臨床試験で検証 生活習慣病の予防に役立つ可能性|大阪公立大学
画像はプレスリリースから引用させて頂きました。
SM

