港区立高輪いきいきプラザ

2025.10.22

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高齢心不全とサルコペニア

国立循環器病研究センターが示した心不全の主な原因疾患は、虚血性心疾患、高血圧、弁膜症の順に多いとのことですが、その虚血性心疾患の原因としては動脈硬化症疾患が多いそうです。さて、本題ですが、高齢化社会が進む中、心不全の患者は増加傾向にあるようで、特にサルコペニアと呼ばれる筋肉量や筋力の低下は、心不全に深く関わり、身体機能の低下が死亡リスクの上昇に結びついているようです。そこで、順天堂大学大学院医学研究科らの研究グループは、「高齢者心不全患者を対象に新しいサルコペニア診断モデル『GLIS』を用いてサルコペニアと身体パフォーマンスおよび2年間の全死亡との関連を検証した」と述べています。そこで分かったことは「GLISモデルによって診断されたサルコペニアは、身体パフォーマンスの低下と有意に関連し、独立した予後不良因子であることが明らかになった」ということです。実は、この新基準では身体パフォーマンスはサルコペニアによって現れる結果として扱われています。本研究では、高齢心不全患者を対象にこのGLISモデルによってサルコペニア診断が身体機能の低下や退院後の予後と関連するのか検討したという訳です。その結果、高齢心不全患者においてサルコペニアは身体パフォーマンスの低下を適切に反映したそうです。加えて、サルコペニア診断は、2年間の全死亡と有意に関連していることが示されたとか。因みに、身体パフォーマンスとは、歩行速度、5回椅子立ち上がり試験、6分間歩行試験などの日常生活に直結する体の動作機能を指しています。本研究グループは、「今後は、GLISモデルを用いたリスク層別化をもとに、栄養療法や運動療法などの介入を早期に実施することで患者の生活の質や長期予後の改善につながることが期待される」と結んでいます。

高齢心不全におけるサルコペニア評価:GLISモデルの有用性を検証|ニュース&イベント|順天堂大学

画像はプレスリリースから引用させて頂きました。

SM

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