2025.10.15
- ニュース
嗜銀(しぎん)顆粒性認知症って何?
嗜銀顆粒性認知症をご存じですか? これは脳神経細胞に「嗜銀顆粒」という物質が蓄積することで発症する病気だそうです。その結果、認知症の症状が現れるのを「嗜銀顆粒性認知症」と呼ぶのだとか。実は、高齢者の約5〜9%、100歳以上になると3割近くがこの病気を発症すると言われています。さて、発症すると具体的にどのような症状が出るのでしょうか?ひとつは、軽度記憶障害。もうひとつは、性格の変化。例えば、頑固さ、怒りっぽさ、抑えられない感情、被害妄想、抑うつなど。東京都健康長寿医療センター研究所は、「アルツハイマー病と比べて、高齢発症であり、進行が非常に緩やかであるのが特徴」と述べています。一般的に言われる「歳をとると頭が固くなり、怒りっぽくなり、物忘れが出てくる」という症状の原因の一つかもしれないといいます。本研究グループは、この病気の患者がどの程度の頻度で運動障害が見られるか、その背景病理は明らかにされてこなかったことを踏まえ、コホート研究から得た444例をもとに検証。その結果、227例に嗜銀顆粒が見られ、このうち20例が嗜銀顆粒性認知症と診断されたそうです。そして、20例のうち6例には生前パーキンソニズムが見られたとか。つまりパーキンソン病の兆候があったそうです。これは、パーキンソニズムが嗜銀顆粒性認知症の新たな臨床像の特徴である可能性が示唆されたというのです。本研究グループは、今後「生前診断率の向上や疾患特異的なバイオマーカー、生前画像所見の特徴の探索についてさらなる研究を進めていきたい」と結んでいます。ともあれ、「物忘れがひどくなった」「性格が変わってきた」などと感じたら早めに認知症外来を受診して下さい。
嗜銀顆粒性認知症と運動障害(パーキンソニズム)の新たな関わり|地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究所
画像はプレスリリースから引用させていただきました。
SM

