港区立高輪いきいきプラザ

2025.10.15

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排便制御の具体的な仕組みとは?

生活の質(QOL)に影響を与える慢性便秘症。実は、近年の研究で循環器疾患と脳血管疾患のリスク要因となり、慢性便秘症患者の生存率は健常人よりも15年生存率が20%以上低いことが明らかとなったとか。慢性便秘症は、排便回数の減少を主症状とする大腸通過遅延型と排便困難を主症状とする便排出障害型に大別されるそうです。前置きはさておき、「最先端の神経科学的手法を用いて排便をつかさどる脳中枢の仕組みを世界で初めて解明した」と発表した九州大学大学院医学研究院らの研究グループは、「正常な排便は、腹圧などによる直腸圧の上昇と肛門の弛緩による協調運動により達せられます。協調運動に異常を来した状態が便排出障害型の慢性便秘症ですが、その協調運動をつかさどる脳排便中枢の詳細に関しては解明されていませんでした」と述べています。本研究では、マウスを用いた最先端の神経科学的手法を用いて、排便を制御する脳の中枢が主に脳幹の橋にある「バリントン核」に存在することを初めて実証。さらに、同核内の2種類の神経細胞が、それぞれ異なるタイプの排便反応(即時型と遅延型)を担うことを明らかにした」そうです。本研究グループは、今回の研究の知見により、「中枢神経系による排便制御の具体的な仕組みは、慢性便秘症や排便障害の病態理解を大きく前進させ、将来的には新規治療法の開発に貢献することが期待される」と結んでいます。

慢性便秘症に新たな突破口 | 研究成果 | 九州大学(KYUSHU UNIVERSITY

画像はプレスリリースから引用させていただきました。

SM

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