2025.10.15
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基本的日常生活動作(ADL)と手段的日常生活動作(IADL)
高齢者の多くは、加齢とともに、身体の不調を訴え始めます。特に、「腰や足の痛み」など。起床や就寝、食事、入浴など日常生活を送る上で最低限必要な動作は、「基本的日常生活動作(ADL)」と呼ばれていますが、一方、買い物や電話、金銭管理、調理、洗濯などは手段的日常生活動作(IADL)と呼ぶのだそうです。どちらの「動作」も重要ですが、特に計画性や判断力、記憶力などの認知機能が必要な上、日常生活を送るために欠かせないIADLの低下は、生活の自立を困難にし、介護が必要な状況につながることがあるため、予防策が望まれています。ただ、多くの高齢者が抱える痛みと手段的日常生活動作(IADL)低下との関係について、日本における研究は十分ではなかったそうです。そこで、大阪公立大学大学院生活科学研究科の研究グループは、高齢者の身体的な痛みとIADLの低下に関する過去の研究論文29本を包括的に分析したところ、「痛みがあるとIADLの低下につながりやすいこと」を23本の論文で確認。また、「痛みがもの忘れや気分の落ち込み、外出や活動の制限を引き起こし、自立した生活を維持する力の低下に結びつくことが指摘されていることも分かった」と発表しました。本研究グループは、「高齢者によくみられる症状である痛みと、自立した生活に欠かせないIADL(手段的日常生活動作)との関連について、既に分かっている点と明らかになっていない点を整理することができた」と述べ、「今後は、痛む場所や痛みの強さ、頻度などに着目した研究を進めることで、高齢者が安心して生活できる社会づくりに役立つと期待できます。加えて、現場のデータも活用しながら、理学療法士の視点から痛みを切り口とした介護予防に関するエビデンスを示せるよう、研究を進めていきたい」と結んでいます。
身体的な痛みが高齢者の自立した生活維持力を低下させると示唆|大阪公立大学
画像はプレスリリースから引用させていただきました。
SM

