2025.10.15
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秋の香り
やっと朝夕には、秋の足音がわずかに聞こえてくるような気がします。さて、あなたにとって秋の「香り」は何でしょうか。麦わら帽子の匂いといえば夏。中村汀女の俳句「手花火の香の染むばかり夜の秋」(“夜の秋”は夏の季語です)は、花火の匂いを見事に表しています。芥川龍之介は、「日盛りや松脂匂ふ松林」と詠んでいます。では、“秋の香”と言えば・・・・。「松茸」、「秋刀魚」「葡萄」「栗」「柿」などの香りを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?花なら「金木犀」「菊」がその筆頭格。「みじろげば木犀の香のたちのぼる」(橋本多佳子)、「菊の香や奈良には古き仏たち」(芭蕉)の俳句は秋の風情をいきいきと伝えてくれます。ところで、「柿が赤くなると医者が青くなる」という言い伝えがあるのをご存知ですか。秋が深まって柿が赤く色づくと、夏の疲れもすっかりとれて健康的になり、病気も減って来るので医者がいらなくなるという意味だそうです。「馬肥ゆる秋」、食欲も旺盛になりますが、くれぐれも食べすぎには気を付けてくださいね。
SM

