2025.10.15
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老化の進行を血液で推定
老化はどのように進行するのでしょうか。その老化の程度を血液から推定する方法を開発した、と発表したのは筑波⼤学医学医療系の研究グループです。具体的には、体の代謝に反応するセンサー分子CtBP2、この働きは肥満と関連することが知られていますが、本研究では、「CtBP2が活性化されると細胞外に分泌されて全身の代謝を改善(抗老化や健康増進)することを見いだし、その血中濃度が老化や健康の程度を推定する指標になりうることを示した」と述べています。ご存じのように、老化は全身性に現れます。見た目に老化している人は内臓機能も老化していることが多いとか。このことは、皮膚の老化とその他全身の細胞の老化が足並みをそろえて進行すること、つまり体の一部で起きた老化が全身に伝わる仕組みがあることを示しているといいます。本研究グループは、「肥満ではCtBP2の機能が低下してメタボリックシンドロームにつながること、これを活性化すると治療効果を示すことを報告してきましたが、今回の研究では、従来、細胞の中で働いていると思われていたCtBP2が、活性化されると細胞外に分泌され全身の代謝を改善していること、その詳しい分子メカニズム、および、このシステムの破綻が老化や健康障害につながることを見いだした」と述べています。すなわち、全身の老化が足並みをそろえて進行することが明らかになったということです。本研究の成果は、「個々⼈が⽇々の健康的な⽣活を送るための参考となる新しい指標の開発につながるだけでなく、抗⽼化や健康増進に対して、⾎液中に分泌されるCtBP2を増加させる新しい治療戦略につながると期待されます」と結んでいます。
老化が進行する仕組みを解明し、血液からその程度を推定する方法を開発 | 医療・健康 - TSUKUBA JOURNAL
画像はプレスリリースから引用させていただきました。
SM