港区立高輪いきいきプラザ

2025.10.08

  • ニュース

老化によって神経細胞が「落ち着きを失う」ってホント?

高齢者にとって脳の老化は避けられない大きな問題です。認知機能や記憶力が知らず知らずのうちに衰えてゆく・・・・。実は、脳の機能が低下する原因の一つは脳内で情報伝達を担う「ニューロン(神経細胞)」の働きの異常なのだそうです。ただ、脳はニューロンだけでなく、それを支える多様な細胞の集合体でもあります。その集合体の細胞のどれにどのような変化が起こるのかを知ることはとても大切。そこで、東京大学定量生命科学研究所らの研究グループは、「マウスの脳の老化における遺伝子の働きの変化を細胞1つ1つで詳しく解析し、ニューロンの老化メカニズムの一端を明らかにした」と発表しました。具体的には、若いマウスと高齢のマウスの脳から海馬を採取。最新技術を用いて、1つの細胞の中から「遺伝子の働きの結果」と「遺伝子の働きやすさ」を同時に計測したそうです。その結果、ニューロンは老化とともに本来は脳が発達する時期や刺激応答時に働く遺伝子などが働きやすい状態になることを発見した」といいます。つまり、ニューロンが外部からの刺激に過剰に反応しやすくなる原因になり、適切な神経回路の維持を妨げる可能性があると述べています。要は、老化によって神経細胞が「落ち着きを失う」ことで、脳の機能低下につながるという訳です。今回の研究成果は、「脳の老化の原理をさらに深く解き明かし、将来の加齢性神経疾患の予防や治療法の開発につながるだろう」と結んでいます。

老化で神経細胞は“落ち着き”を失う? ――遺伝子発現の“土台”の変化が脳の機能低下につながる可能性―― | 東京大学 定量生命科学研究所

 画像はプレスリリースから引用させていただきました。

 SM

一覧へ戻る

カテゴリ
年月で絞り込む