2025.10.01
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“ブレインフォグ”の病態を新しい脳画像法で解明
横浜市立大学大学院医学研究科生理学らの研究グループは、「神経細胞同士の情報伝達のやりとりの要である『グルタミン酸AMPA受容体』が、新型コロナウイルス感染症罹患後症状の認知機能障害、いわゆる『ブレインフォグ』に関わることをはじめて明らかにした」と発表しました。因みに、ブレインフォグとは“頭の中が混雑し、思考や集中力が鈍くなる現象”のことで、新型コロナウイルスに感染し、その後遺症に悩む人にそうした症状が多く見られました。さて、本研究では、新型コロナウイルス感染症罹患後の認知機能障害ブレインフォグを呈する30名を対象に、脳内AMPA受容体がどの領域で多い/少ないかを[11C]K-2 AMPA受容体PETイメージングで可視化・定量化し、その結果「健常者と比較して脳の広範な領域でAMPA受容体量が増加していた」と述べています。本研究は、新型コロナウイルス感染後の認知機能障害であるブレインフォグの、脳の変化に基づいた診断方法の開発につながる可能性を示している、といいます。加えて、「AMPA受容体の働きを抑える薬剤(ペランパネルのこと。本国では抗てんかん薬として薬事承認を受けている)がブレインフォグ治療に使える可能性を示唆している」と結んでいます。
新型コロナウイルス感染症の後遺症“ブレインフォグ”の病態を新しい脳画像法で解明ー脳内グルタミン酸AMPA受容体が罹患後の認知機能障害に関係ー | YCU Research Portal
SM