港区立高輪いきいきプラザ

2025.10.01

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大腸がんと肝転移

日本では罹患数が最も多い大腸がん。臓器転移がない場合には、外科的切除と病期によって薬物療法を組み合わせた治療が標準治療だそうです。ただ、転移頻度が最も高い臓器は肝臓であり、初診時の大腸がん患者の約10-25%に転移が見られるといいます。そこで、肝転移病変が切除可能な場合には、外科的切除が根治の期待できる唯一の治療法なのだとか。近年は、薬物療法や分子標的治療薬等を用いて腫瘍を縮小させることで切除可能となるケースが増えており、欧州で約40%、日本では約20%の割合で、当初切除不能とされていた肝転移が切除可能となったと報告されているそうです。さて、前置きが長くなりましたが、国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院らの研究グループは、当プレスリリースで、「肝転移病変に対する外科的切除は技術的に難しく、侵襲も大きいため、患者さんにとって身体的負担が大きいという課題があります。また、薬物療法後には画像上病変が消失することがありますが、その病変を完全に消失したものとし、切除対象から外すべきか、あるいは腫瘍細胞が残存しているものとして切除すべきかについては、専門家の間でも意見が分かれており、現時点では化学的に明確な検証はなされていません」と前置きした上で、本研究では、「専門家による詳細な撮影条件の規定および画像の品質管理が行われた状況下でMRIを実施することにより、腫瘍の有無を高い精度で検出できることを期待しましたが、実際の結果は62.5%にとどまった」そうです。従って、本研究の結果から、「薬物療法後に肝転移病変が画像上消失していても、腫瘍細胞が残っている可能性を考慮し、より精密な肝切除計画と慎重な経過観察の重要性が明らかになった」と述べています。

薬物療法後に消失した大腸がん肝転移病変の画像診断と術後診断の一致率は62.5% 画像上消失した病変に対しても、精密な肝切除計画と慎重な経過観察が重要 ~日欧米国際共同試験の成果をJAMA Surgery誌に報告~|国立がん研究センター

画像はプレスリリースから引用させていただきました。

SM

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