2025.10.01
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血小板の祖先はあのヒトデ?
唐突ですが、「血小板」と聞くと何を想像しますか?一般的には、「止血」の役目ではないでしょうか?ただ、血小板は、止血だけでなく、体内に侵入した細菌やウイルスと戦う 免疫応答においても極めて重要な働きを持っているそうです。つまり、この血小板の多機能性は、「生命維持に不可欠な止血と免疫という二つの重要な機能が密接に連携しながら発展してきた」ということです。しかし、「その進化の起源は謎に包まれていた」とか。そこで、慶應義塾大学文学部生物学教室及び福井大学らの研究グループは、「血液中で止血を担う血小板の祖先と考えられる細胞をヒトデの体内で発見した」と発表しました。つまり、「従来の常識を覆し、哺乳類に特有とされてきた血小板に酷似した無核の細胞断片が、無脊椎動物にも存在することを明らかにした」という訳です。本研究グループは、「この発見は、血小板の機能が哺乳類で独自に獲得されたものではなく、進化的に非常に古い時代から、免疫と止血という二つの重要な生命維持機能が密接に連携しながら発展してきたことを示唆するものである」と述べ、本研究の成果は、「血小板の進化に関する長年の常識を覆すものであり、生命の生体防御システムの根源的なメカニズムの解明に向けた、重要な基盤となることが期待されます」と結んでいます。
血小板の祖先をヒトデで発見!-免疫と止血の進化の謎に迫る-:[慶應義塾]
SM

