港区立高輪いきいきプラザ

2025.09.29

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脳内で働く神経・免疫細胞間コミュニケーションとは?

「全身の司令塔」と言われている脳ですが、実は、神経細胞だけでなく多様な細胞が協調して働くことで、その高度な機能を保っているそうです。しかし、脳内の細胞同士がどのように情報をやり取りし、機能を維持しているのかは、これまで十分にわかっていなかったとか。そこで、九州大学生体防御医学研究所及びドイツ・フライブルク大学らの国際共同研究チームは、「最新の解析技術と新規遺伝子改変マウスを用いた研究により、脳の主要な免疫細胞である『ミクログリア』が神経細胞の脂質代謝を助けていることを発見した」と発表しました。具体的には、免疫細胞であるミクログリアが特殊な酵素(β-ヘキソサミニダーゼ)を供給することで、神経細胞内の糖脂質(GM2ガングリオシド)の分解を助けていることを明らかにしたといいます。加えて、遺伝子異常によってこの特殊な酵素が機能しない「Sandhoff病」の患者やモデルマウスでは、神経細胞に糖脂質が異常に蓄積し、ミクログリアが過剰に反応して神経変性が進むことがわかったそうです。一方で、病気のマウスの脳に「正常に働くミクログリア様細胞」を導入すると、この悪循環が断ち切られ、神経の機能が回復することも確認されたと述べています。本研究の成果は、脳の中での新しい「免疫細胞と神経細胞の協力の仕組み」を明らかにしただけでなく、免疫細胞であるミクログリアを活用した新しい治療法の可能性を示すものです、と結んでいます。

脳内で働く神経・免疫細胞間コミュニケーションの新たな様式を解明 | 研究成果 | 九州大学(KYUSHU UNIVERSITY

画像はプレスリリースから引用させて頂きました。

SM

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