2025.09.29
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地球温暖化とサンゴ礁の死滅
美しい海とサンゴ礁。つい南の島を想像してしまいますが、実はサンゴ礁は環境保全にとって重要な役割を担っている一方で、地球温暖化がこのまま進むとその成長が低下してしまうそうです。実は、サンゴ礁は「波の⼒を弱めて沿岸を守ると同時に、多くの⽣物のすみかを提供する重要な⽣態系であり、世界の熱帯沿岸では、サンゴ礁が波のエネルギーの最⼤97%を吸収し、洪⽔被害の回避による経済効果は年間30億ドルを超える」と言います。ところが、気候変動によって、「海⽔温上昇や海洋酸性化」、「病害の拡⼤」、「⽔質悪化」などの影響で、サンゴの多様性と量が急速に失われているのが現実なのだとか。そこで、筑波大学を始め8カ国が参加する今回の国際研究チームは、「米国フロリダやメキシコ、ボネール島(ベネズエラ沖)など400か所以上のサンゴ礁を調べ、過去の化石サンゴ礁のデータと現在の生態データを組み合わせて、成長の様子を分析した」そうです。その結果、「現在のレベルでCO2排出が続くと、2040年までに70%以上のサンゴ礁の成長が止まり、現在から2℃の気温上昇により、2100年には99%以上のサンゴ礁が成長不能になることが分かった」といいます。加えて、海面上昇は今後加速すると予測されていることから、サンゴ礁の成長不足は礁上の水深増加をもたらし、高潮や沿岸の浸水リスクを高めるとス移植しています。本研究グループは、「サンゴ礁を守るためには修復活動だけでなく、陸と海の環境管理を改善するとともに、地球温暖化を現状から2℃未満に抑える努力が不可欠であることを示唆している」と結んでいます。
気温2℃上昇でサンゴ礁が成長不能になり沿岸浸水リスクが増大する | 生物・環境 - TSUKUBA JOURNAL
画像はプレスリリースから引用させて頂きました。
SM