2025.09.29
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日本人高齢者のフレイル割合は?
本欄でも幾度か取り上げているフレイル問題ですが、「日本人高齢者全体のフレイル割合は8,7%」と発表したのは、東京都健康長寿医療センター研究所の社会参加とヘルシーエイジング研究チームです。本研究では「全国高齢者パネル調査」のデータを用い、地域に住む高齢者のフレイル率を初めて明らかにしたと述べています。因みに、フレイルの把握は世界で最も使用されているFriedらの指標を採用。指標には「体重の減少」「疲れやすさ」「握力の低下」「歩行速度の減弱」「日常における活動量の減少」の5つが用いられたとか。その結果、全体では8,7%の人がフレイルに該当。プレフレイルは40,8%。健常者は50,5%だったそうです。つまり半数が何らかの形でフレイルに関連していたという訳です。加齢に伴い、フレイル率が増加するのは間違いありません。加えて、経済状態とフレイルの関係では、夫婦収入が少ないほどフレイルの割合は高い傾向に。さて、フレイル群は、調査から5年後には歩行、食事、入浴など何らかの身体動作に障害が発生しやすく、フレイルは将来の死亡にもつながりやすいと述べています。本研究チームは、「性別、年齢、社会経済的状態といった個人特性に加え、地域ブロックによるフレイル割合の違いを見える化したことで、健康格差の是正の必要性を提示できた」と結んでいます。ところで、フレイル予防の基本は、「栄養(食生活)」「運動(活動量)」そして「社会参加(人とのつながり、コミュニケーション)」の3つの柱であることをお忘れなく。
日本人高齢者全体のフレイル割合は8.7%:全国規模の訪問調査から判明|地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究所
画像はプレスリリースから引用させて頂きました。
SM